再始動なんかじゃない、それはタダの再開。 燃えるような紅い紅い髪が風に靡く。美しい髪が鋭い曲線を描きながら、灰色に沈んだ空の下で、ハイヒールの踵を鳴らしながら、彼女は大きな鍵を抱えてこちらへ歩いてくる。 髪と同じ色の長い睫毛と、それよりもさらに深く澄んだ瞳。肌はまるで陶器そのもの。足取りは優雅で、裾を引きずるほどの大きく長い漆黒のドレスも、少しも苦でないように歩いてくる。「お久しぶり、アリス」「貴女……」「この私のことを忘れた?」 血のように真っ赤なルージュが弧を描く。禍々しいほどの美しさで造られた人形かと、初めて出逢ったときに思ったものだ。「あの箱のことも忘れた?」 抱えた鍵を軽く持ち上げてみせるその手の爪にも赤。 赤。紅。黒。 そして白い肌。 まるでトランプのようなその女性の抱えた大きな鍵は、湿った蔓でぐるぐると巻かれている。「この鍵のことも忘れた?」 そういって血のような唇の隙間からのぞく歯は、白だった。Title of "???"to be continude...?***久しぶりすぎるアリス。寝ます。おやすみなさい。 [0回]PR