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ピーターパン始めました。

こんにちばん。翼です。
4月末のボーマスに出す頒布物を落としたにもかかわらず東京で1週間ほど過ごしてみたり、帰ってきて友達とカラオケからのバイトからGWに田舎に帰り、今に至ります。
4月中修羅場ってて楽しかったなと思いつつ、次こそは落とさないようにしたいと思います。

東京ではニコニコ超会議にいったり、渋谷と原宿を混同していたり(実際現地に地図なしでいくと意味不明ですね、都市部って)、デジカメ勝ったり秋葉原でACDIVAしたり面白かったです。
ネットカフェにあんなに泊まったの初めてかも(笑)遠出するとネカフェマスターになれそうですね、都市部はいっぱあって便利です。

そこらへんの話しはまた時間があればまとめることにして。
とりあえず、ジンクスに従いやりたいことを言わずにやっていこうと思います、ってこれも影響受けるのかわからないけど。
公の場で口に出しちゃったり宣言しちゃうと、まず実現しない、やらなくなる、というジンクス持ちなのでなかなか難しいものです。ここくらいは影響しないといいなーというか、そもそも見てくれてる人もほとんどいない僕の城なのでせんだろう、きっと。

というわけで、アリスは適当にまとめる、ということで。
ピーターパン、始めようと思います。
前回と同じく、時間あればできるだけ書く。ある程度構想をしていてもその場その場のテンションで話を作っていくということで。
--------

 少年は眉を八の字に下げて頭を抱えた。膝の間に顔を埋めるようにして、足音が通り過ぎるのを教室の壁際で待つ。
「ピーター、どこだ!?」
 威勢のいい声がドタバタと激しい足音と共に近づいてくる。
 きっと追っ手は気付かないままに通り過ぎていくことだろう。そうしたらそっと扉を開けて追っ手が来た方向へと走り去るのだ。そのまま校門を出て家に向かおう。少年の考えは、足音の主から逃げる方法だけを探していた。
 早く、早く、走り去ってくれ。
 呼吸すら止めて、少年は布擦れさえも起さぬようにと体を硬直させる。
「ピーター?! どこにいったんだ!」
 壁越しの声は薄いガラスを震わせるほどの大きさで、廊下でそんなに叫んだら迷惑極まりないだろうにと少年は思った。
 そのとき。
「ここか?!」
 ガラッと音を立てて開かれた扉に、少年は呼吸を止めていたにもかかわらず息を飲んだ。黒板に近い扉から一歩、細い足が踏み込まれる。
 少年はすぐさま教室を出ようと体を横に滑らせる。隠れていた場所は教室の後ろに近い場所だ。机の影になって入ってきた追っ手からは死角に見えるはず、と少年は物音を立てないように移動する。
「……ピーター、どこにったんだ」
 ため息まじりの呟き。「ここにいます」と、少年は自分の心の中だけで返事をした。
 手を伸ばしてそろりと教室の扉を開ける。追っ手の足はこちらを向いていないし、このままなら隙間から逃げ出せばリーチと取れるはず。
 ゆっくり。ゆっくりと扉を開く。
 体が通れそうなくらいまで、ゆっくりと。
「なにやってんだ?」
 突然開かれた扉に少年は再び息を詰めることになった。
「おや、クリス。ピーターを見なかったか?」
「は?」
 扉を開いて顔を覗かせた金髪の少年は、突然の質問に首を傾げた。なにを言っているんだ、と顔に書かれている。
 その足元で蹲っていた少年は、目の前にあるズボンの裾をくいくいと引っ張ればふるふると顔を横振る。言うな。絶対に言うな、と視線で訴える。
 一瞬だけ交わしたアイコンタクトで、金髪の少年はあーと間延びした声を出した。
「いや、俺は見ていない」
「そうか……まったくどこに行ったのやら」
「また逃げられてるのか」
「ああ。まったく強情な奴だ」
 大きくため息を吐く追っ手から逃げようと、少年は目の前にある長い足を叩く。そうして応えるように横にずらされた足。
 持つべきものは友達だ。そんなことを思いながら、少年は金髪の少年の足の下から教室の外へと脱出を試みる。薄暗かった教室を出て外の世界へ。ここからクラウチングスタートでダッシュを決めれば追っ手に捕まることはないだろう。なにせ逃げ足だけは自信があるのだから。
「じゃあ、俺はこれで」
 そんな言葉と共にガラリと音を立てて扉が閉められる。
「ちょっと待てクリス。今日の宿題について聞きたいことが――」
「あ」
「うわ」
 金髪の少年を追って追っ手が教室から出るのと、教室から脱出を試みた少年が追っ手と目を合わせるのは同時だった。
「探したぞピーター!!」
「フック……」
 ひきつった笑みを浮かべる少年に追っ手――フックはつかつかと靴を鳴らして近づいてきた。反射的に上体をそらして片足を後退させる。
「どうして逃げる? 私の家に招待しようとしただけなのに!」
「や、えっと、僕は、えっと……クリスと勉強する用事があって」
「ならクリスも一緒にくればいいだろう。私の手料理をご馳走してやる。私の家で勉強すればいい――なんなら、教えてやるぞ?」
「や、でも、迷惑にならないかと」
「そんなことない! ピーター相手なら1から100まで教えてやるとも。手取り足取り腰取りじっくりと……」
「やっぱり僕家に帰らないといけないし!!」
 不穏な台詞には逃げるが勝ち。回れ右をして走りだし、転んだ。
「だあっ!!」
「おいおい、私の鞭から逃げられると思っているのか?」
 右足に絡みついた鞭が追っ手の手から伸びていた。転ばされた少年は青ざめた顔で無様に床を這うことしかできない。
「さあ、私の家に来るといいピーター。じっくり保健体育を教えてやる」
「はい、ストップ」
 目の据わった追っ手の肩を掴み、制止を促したのはクリスと呼ばれた金髪の少年。
「ピーター怯えてんだからやめてやれよ。あと、今そいつに馬乗りになったらこっちからパンツ見えるぞお前」
「なっ……!」
 追っ手は顔を赤くして短いスカートを手で押さえる。
 その隙に床を這っていた少年はなんとか鞭を外して立ち上がり、涙目で上目遣いに追っ手を見上げた。
「え、えと、ミス・フック。夕食の招待は嬉しいんだけど、僕はそこのクリスと用事あるから、それじゃ!」
「あ、おい! ピーター!」
 廊下を走り去っていくちいさな背中を追いかけようとして、フックは肩を掴んでいる手に舌打ちする。振り返ればブラウン寄りの金髪の下に整った顔があった。
「お前は本当にいつもいつも邪魔をするな?」
「いや、普通に友達が貞操の危機に瀕していれば助けるだろ」
「どうして?!」
「理由を問われることか?!」
 胸倉を掴まれてクリスは困惑を浮かべる。しかしふっと頭を過ぎったことに顔を上げ、友人が走り去っていった廊下の先を見つめる。
「ていうかアイツ……俺と用事あったんじゃないのかよ」
 呟きは静まり返った廊下に落とされ、目の前の女の子のため息に上書きされた。

*****
Tile of "Relation between him and her."
to be continude...

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