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うわあああああ(以下略


ひどい日記の書かなさ。

母さんに誕生日のお祝いに食事しにいったビルでウォシュレットが止まらなくてあたふたりたり。

お盆に母方の祖母の初盆なので鹿児島にいったら空気がカラッとしていて、焼酎を貯蔵してある炭鉱跡にいったりしたことを囲うとも思っていたらこの時期です。

暑いです。

久しぶりに小噺を書きました。

ボーマス17に出ます。なにか、書き物出したいです。


おわり。


 考えていたことを忘れてしまった。
 ヘッドフォンから流れる音楽に耳を傾けていたうちに、いつの間にか眠ってしまっていたらしい。気がつくと車内は暗くなっていた。薄ぼんやりとした照明が座席の床近く、通路を照らすように光っている。
 振動の少ない列車は始めてだ。地面のうえの旧線路を走るような列車ではなく、電磁線路を走る列車は滑るような走行でストレスが少ない。初めて乗ったときはあまりの振動の少なさに驚いたものだ。
「ご入用なものは御座いますでしょうか。データ書籍、洗顔セット、アルコール飲料、インスタント食品まで何でも取り揃えて御座います。ご快適な旅になりますよう、なんなりとお申し付けくださいませ」
 車内販売員が、睡眠を阻害しない程度の声量で話しながらカートを押いていく。
 私は固まった足を解そうと足を組みかえる。遮光幕を少し上げる。眼下に広がるプラネタリウムのような街。
 ――『宝箱をひっくり返したような景色』なんて言葉があったっけ。
 いまでは宝箱の中身は宝石ではなく無表情な機密データとかなんだろうか。お国のやり方はよくわからないけれど、少なくとももう紙幣や硬貨はほとんど使用されていない。宝石や鉱石も、天然の金銀以外ならば人工的に精製することが可能になったいま、宝箱の中の輝きはどれほど意味があるのだろうか。
 しかしながら、綺麗だな、とは思う。
 闇色の大地に浮かぶ水面の輝きのような、膨大な人工灯。近くで見ればゴミに汚れた道路も、ここまで遠ければなにも見えない。いらないものを夜のカーテンに隠して、華やかなイルミネーションだけが展示されているみたいだ。
「綺麗ですね」
 突然かけられた声にはっとしてそちらを向く。
 隣にはキッチリと修道着を着込んだシスターが、その視線を私ではなく窓の外に向けていた。
「私は最近街に着たばかりで、電磁列車に乗るのも初めてなんです。街にいったときはなんて汚い場所なんだろうと思いましたが、こうしてみるとまるで星空を見下ろしているようです」
 にっこりと笑いかけてくるその顔はまだ若く、もしかしたら私より年下かもしれないと思った。
「ガッカリしたでしょう。聖地があると言われるこの街が、まるでスラムみたいになっていて」
「そうですね。噂で聞いていた荘厳さのカケラもありませんでした」
 シスターは悪気もなさそうにくすくす笑う。この街の出身である私は複雑な気持ちになった。
 聖なる神と呼ばれる存在が生まれたとされるこの街は、遥か昔には繁栄を誇り、その勢いはすさまじかったらしい。なにがどうすごかったかと言えば、学校とサボタージュばかりしていた私には詳しく語ることはできない。ただ昔からの言い伝えによれば、この街があったから世界がこんなにも平和なのだという。この街で生まれた聖なる神が混沌の只中にあった世界を救ったという言い伝えは、赤ん坊から爺さんまでみんなが聞かされてきたことだ。平和、なんて馬鹿みたいに曖昧な理想を象った単語もそうそうなかろう。
 それはともかく、繁栄を誇り文明の進化した街は世界でも聖地とされ、いまでも経済・文化の最先端であると聞く。しかし実態は格差社会の弊害で暴徒化した市民が国を相手に、小規模なデモやストを頻発しているのが現状だ。観光名所や高級住宅地は整備されているものの、一般街に入ればもうすぐスラムになりますといわんばかりの有様だ。
「でも……近所の人たちはとても親切にしてくれました」
 シスターは微笑んでいた。
「それにこの街はとても裕福です。ストライキやデモはありますが、そのようなことを思いつかないほど切迫している街もあります。そのような場所ではストライキやデモのような意見を伝えるための行為が、そのまま死に直結していました」
「テロってこと?」
「そうです。それから、暴力ですね」
 悲しげに瞼を下げるシスター。その手には十字が握られている。
「いくら声を上げても聞いてくれないから……だから実力行使に出ていました。お腹も空いて仕事もなく大事な人も守れない状況でなりふり構っていられない……みんなそうでした」
「それはシスターの故郷のお話?」
 意地悪な言い方をしてしまった。
 俯きがちに視線を落としていたシスターははっとしたように顔を上げて私を見つめた。暗い車内ではたしか昼間見たときは藍色だった彼女の目も闇に沈んでいる。大きく開かれたその目に、窓の向こうの星空が映りこんでいる。
 私はシスターから目を外し、バッグからポーチを取り出す。珍しく口紅を持っていてよかったと思いながら、手のひらサイズの手鏡にアドレスを書いた。
「はい」
「え?」
 状況が飲み込めないシスターに手鏡を押し付ける。十字から手を離したシスターは変わりに私の手鏡を握り締めた。
「話くらいなら聞くから、気が向いたらそこに連絡して。もしも貴方があの街に帰って来るようなことがあるなら、ギフィティス通りの303コースターで会いましょう。今更宗教上の理由で豚肉が食えないシスターなんていないでしょう?」
 観光区にある小洒落たカフェの名前を出すと、シスターの困惑が驚きに変わる。
 映画か小説にあるみたいなナンパの仕方だけれど、まあいい。彼女に興味が出たことはたしかだし、なによりさっきの話はこの列車のなかでするような話ではない。
「ありがとう……ございます……」
 恥ずかしそうに手鏡を抱きしめるシスターに、口紅の色がつくことを忠告して私は窓を向いた。眼下に広がったプラネタリウムのような――否、満天の星空のような街が遠ざかっていく。
 ヘッドフォンを直してプレイヤーを再生する。
 遮光幕を下ろして、私はそのまま目を閉じた。
 

fin
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http://www.nicovideo.jp/watch/1282028613
を聞きながら。

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