LAST 少女は定期的な訪問を義務付けられた部屋を後にした。 長い廊下を歩きながら、少女はふと顔を上げた。廊下に並んだ背の高い窓は空からの陽射しをさんさんと廊下へ流し込み、等間隔で備え付けられたステンドグラスを綺麗に浮き上がらせている。 様々な童話を用いたステンドグラスは、窓枠へとはめ込まれたそのひとつひとつに、その物語の少女の、または女の、そして少年の、さらには動物の人生を切り取り閉じ込めた肖像画のように廊下を歩く少女の目に映った。 コツ、コツ、と少女の足を包む赤いエナメルの靴が鳴く。 少女はなんだか楽しくなって少し跳んでみた。跳ぶたび少しだけ前へ出る。その感覚が楽しくて、少女はステップを踏む。コツコツと踵を鳴らすようにしながらスキップで長い廊下を進む。 空が青い。残酷なまでに。 ただそれだけのことで少女はなんだか嬉しくなって頬を緩ませた。 体が跳ねるたびにふわりと広がるスカートが楽しくて、少女はスキップで廊下を進む。けれど長い廊下は永遠に続くわけでなく、目に見える先に終着点は用意されていた。「うわっ!」「きゃっ!」 衝撃で少女の体が僅か跳ね返される。しりもちをつくように倒れた少女が顔を上げると、そこには見知った顔の少年がいた。「ピーター?」「あいたたた……駄目だよアリス、廊下は走るなって言ってるだろ」 少女と同じような格好で倒れていた少年は腰をあげるとズボンを払いながら少女に手を差し出す。「また赤い靴を履いているの?」「え?」「赤い靴がお気に入りなのはわかるけど、だからって廊下を走ったら危ないよ」 そう言って少年は自分の手に重ねられた少女の手を引く。 少年の手を借りて起き上がった少女は、スカートの汚れを払いながら首を傾げた。「なにを言ってるの、ピーター。私は赤い靴なんて履いてないわ」「え?」 今度は少年が首を傾げる番だった。たった今ぶつかったばかりの少女はたしかに赤いエナメルの靴を履いている。「変なピーター」 少女はそう言って笑いながら少年の横を通り過ぎる。少年は困ったように眉を寄せて、少女を追うように振り返る。「アリス」 少女の名前を呼ぶ。 振り返ったその顔に少年は一瞬だけ逡巡したものの、そのまま続く言葉を口にした。「どこに行くの?」 もうすぐ授業が始まるよ。そう続ける前に、赤い靴の少女はぱちぱちと瞬きをしてから、きょとんとした顔で言った。「決まってるじゃない。チェシャ猫を探しに行くの」 Tittle of "The END of "Story Of Alice"."This story ends here. Thank you for reading!*****アリスのお話、これにておしまい。こんばんは翼です。お・・・お・・・・終わっ・・・た?(゜言゜)微妙に実感がわかないんですがこれ投稿すると叫ぶと思います。「終わったーーーー!!!」って(笑)えー・・・・えええええええええええええ?!実感してきました。うおお、すげえ、やっと終わったのか。びっくりです。3年?もっとかかってそうですがとりあえずアリスのお話はこれにて終了。そもそも「その時々で話を作っていくとどうなるのか」という実験的な形で始まったものですが後半ぐっだぐだでしたね(汗)申し訳ないですorzでも終わったんだなぁ・・・じわじわきます。特設ページはしばらくあのままです。ここまでのを投稿して、また時間のあるときに紙媒体化したあたりで消すかもしれません。でももしかしたらアリスのまとめページだけ移動させるかもしれませんが、そのときの僕次第です。相変わらずの適当さ。また時間のあるときに紙媒体化して、ざっくり手直ししてオフで出したいなぁとか思います。いつになるやら、ですが(笑)今日姉さんと父さんと話していて「為せば成る為さねば成らぬ何事も成らぬは人の為さぬなりけり」という言葉を覚えました。「やったらできるよーでもやんないとなにもできないよー」って話。言葉自体は何度も何度も聞いてきましたし、内容自体も何度も何度も体験してきましたが、ここにきて為せば成るを体験することになろうとは。継続は力なりとはよくいったものです。山は一日では作れません。ですが木を植え、育て、時間をかければ山は作れるのでしょう。砂漠に緑が増えたように。壊すのは簡単ですが作り上げるのは難い易い関係なく時間がかかるもの。といまさらながら実感しています。しんみりするなあ(笑)ちょっとの寂しさと曖昧な達成感に包まれながら、今日はおしまい。もしかしたらメモカテゴリでメモを残すかもしれないけど、ノベル(日常)日記はこのへんで。長い長い時間がかかりましたが、もしもまだアリスを楽しみにして読んでくれている方がいらっしゃいましたら、心より最大の感謝を。本当にありがとうございました。アリス、完結しました! [0回]PR