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停滞行軍

「いやあああああぁぁぁぁっ!!!!!!!」
 差し出された手を叩くように振り払って、私はいやいやと首を振った。それしかできなかった。足は勝手に踊りだそうとしているので逃げようにも逃げることができない。
 ぽたり。
 また赤い水が私に降り注ぐ。
「いやっ! いやっ! いやぁあぁあああああ!!!!!」
 頭を抱える。がくがくと震える肩も腕も頭も煩わしい。
 原因は判っているけれど、解りたくなんかない。これは、これはきっとウサギが怖いせいだ。あの柔和な笑みを浮かべる少年が怖いからだ。
「……アリス……」
 困ったような声。けれどそれを気にかける余裕など無く、その優しい声音すらもいまは恐怖を増すばかりだ。
 血塗れの男など、あの時で十分だ。十二分だ。もう二度と見たくもない。私を庇う背中と、伸ばされた血で染まった手と、そして――……。
 ――だって、それは。
「これはこれは」
 地獄の業火に焼かれる罪人のような声が、のんびりと言葉を吐いた。
「とうの昔に代替わりしたのに、こんなところでのさばっていたのかい?」
 カツン、と足音。
「…………なんでテメェが」
 驚きと、若干の喜色を含んだ黒い兎のニヒルな声。
「……」
 白いウサギは何も言わず、重たく息を吐いたようだった。
 私はいつのまにか固く固く瞑っていた目をそろりと開いた。好奇心と確認と、救いを求める心境で。
 願っていた。そこに在るのが、トランプの女王でも、その席を拒絶する少女アイドルのような人物でもないことを。
 ずっとずっと、恐れて、愛して、拒絶し、懐いていた彼女を――切望して、顔を上げた。
「遊びの時間は終わりのようだね、アリス」
 ひどく悲しそうに歪んだ微笑を湛えたウサギの声を耳して、私の目が捉えた彼女は予想に反しない人物。
 そして、視線の先の恐ろしいほどに綺麗な彼女が抱えていたのは、巨大な鍵だった。


Title of "Hope for..."
To be continude...?

*****


バイト中、鏡を見るたびに目が死んでいます。翼です。
久しぶりのアリス-!!やっと、やっと進んだけどあたらしいひとでてきたよ。orz
いや、新しくはないけど。

右手が微妙に疼きます。
いや、あの、「俺の右手が……!お前ら早く離れろ…この怪物が動き出す前に……!!」とかそういうんじゃなくて、普通にすんげえちまっとした痛みが疼いてます。腱鞘炎というより疲れだろうな。まあいいや。

やりたい作業がいっこうに進んでいません、1日38時間くらいあればいいのに。

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