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元気良く手を下げる。

 ぐらりと体が揺れて中に放り出されるような感覚が体を纏った。すぐに右側に伝わった落下の衝撃に息を詰める。
「アリス、アリス、だめじゃないか。ちゃんと落ちないと」
 地獄の業火に焼かれる罪人のような声が私を嗜める。ちょっと待て。いまあきらかに放り投げたのはチェシャで、私はそのせいで苦しい目にあっているのになんて言葉だ。
 落下したときに打ち付けた頭を押さえながら起き上がる。私を庇うように立った黒色の兎が、迷いなくサーベルをチェシャ猫に突き出していた。流れるような動き。
 どこかで見た背中だった。
「あなた、が……落としたんじゃない」
 チェシャ猫への文句を舌に乗せながらしっかりと地に足をつけて立ち上がる。ビクリと体が前のめりに崩れた。地面に両手を付き、慌てて足元を振り返れば赤い靴が蠢いてダンスを強要していた。
「……しつこいわね……」
 体を反転させて靴に手をかける。赤色に染まったエナメルの靴は傷だらけで、私はさっさと脱いでしまうことに決めた。気持ち悪くて仕方ない。輝くようだった黒い靴はこんなにも傷だらけで、凸凹していて、なによりこの赤い色は白いウサギの腹から吹き出たものの色なのだ。ああ気持ち悪い。
「……なに、これっ」
 あまりに気持ちが悪くて早く脱いでしまいたいのに、赤い靴はまるで私の体の一部だと主張するようにぴったりと、吸いついてそこに棲み付いてしまったかのように離れない。足と靴の隙間は存在するのに、しっかりとそこに固定されているようだ。
「いや、いや、いや!」
 どうして離れないの。早く脱がせて。お願いだから――そんな言葉が私の頭を占めていく。蠢く足をとどまらせておくのは大変で、私は四苦八苦しながら赤い靴を掻き毟る。脱げしまえと願いを込めて。
「アリス」
 頭上から降ってきた柔らかな声に反射的に顔を上げる。
「無理だよ。赤い靴は脱げない。足を切り落とさないと」
 ぽたり。
 頬に生暖かいものが触れて、つうと流れた。
「――ぁ――」
 声が。
 言葉にならずに、ただ。漏れた。
「大丈夫。アリスの足がなくなっても、僕が作ってあげる」
「……ウ……サギ……」
「ほら、立って。足とお別れするんだから、最後に僕をダンスを踊ってアリス」
 そう言って優しげな声を降らせ、柔和な笑みを浮かべた白いウサギは私に手を差し出してくる。赤く塗れた唇からは、ぽたり。また一滴血が落ちて私の顔にかかる。
「さあ、アリス」
 まっすぐに私へと伸ばされた腕。彼の血で真っ赤に染まった腕。
 それはあの日、涙の向こうで滲んだ情景と同じものだった。


Title of "Deja vu"
Tobe continude...?
******

うわ、ひっさしぶり!
もうちょっとなんだ!もうちょっとなんだけどこっから長そうだなまたオイ!
しかし三月兎どこいった。


そんなわけで翼です。
連休1日目。まったーりしてます。まったりまったり。

twitterでニコニコのボカロPさんとか歌い手さんをちょまちょまフォローさせてもらってます。なので徐々にtwitterをどう使えばいいのかわからなくなってきました。リストってなに。
応援コメントをちまちま投げさせてもらったりしています。しかしなんか、あんまり動揺してコメントできないとかよくあるよね(´ワ`;

とりあえずあれだ、アレアレ、オレオレ。詐欺。じゃなくって。
向こう数ヶ月主にネットでバタバタするんで日記の更新頻度が上がることはないと思います。と宣言してみる。これで増えたら笑えるなぁ、それはそれでよいこのなのだけれど。


さて、今日なこんなところで。

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