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「当たり前だけどさ、枯渇するのは求めるという意欲があるからだよ」

バイト先にはバスの停留所があり、わりと家族連れがきたりするのですが、子供がめっさかわいい。
赤ちゃんとか、3歳くらいの元気の良い女の子とか、恥ずかしがりやなのかお母さんの後ろに隠れてる男の子とか、見てるときゅん、てします。ちょう癒し。

さて、明日はおやすみ!
これからバイトいてきます! しばらく書いてないとこういう無残な結果になるということ。
ちなみにR15。
















 アキは塗れた手をぼうっと見つめていた。初めて見たといわんばかりにそれを見つめる彼女にティッシュ箱を差し出したら、ちょうど五秒くらいしてから、さも今気づいたという風にはっとしたアキはティッシュに手を伸ばした。
「口で受けてくれるかと思ったのに」
「顔にかけるほうが好きなんじゃないの?」
「中で出すほうが好きかな」
「最低」
 薄暗い、というより、薄明るい部屋の中でアキは塗れた手をティッシュで拭った。それを見て横からティッシュ箱に手を伸ばして、自分のものを拭う。いつものことながら、端から見ればなんだか滑稽な光景だろう。
「満足した?」
「そっちは?」
「アタシは満足しなくても平気。アンタが満足したならお金払って。帰る」
「相変わらずつれないな」
「その台詞、マジないわ」
 くすくすと笑みを零しながらベッドから降りたアキは扉の向こうへと消える。すぐにシャワーの流れる水音が遠くから耳を打った。いまからあの扉を開けて、――次は四回目になる――行為を強請ったらアキは応えるだろうか。そんなことを考えて、きっと怒るに違いないと思い、笑った。
 気だるげな空気を払おうとリモコンに手を伸ばす。テレビのなかで断続的な水音を放つ女優と男優の獣のような姿を消した。替わりに映し出されたのは人気のお笑い芸人とおばかタレントが騒ぎ声を上げるバラエティ。
「あーさっぱりした」
 扉を開けて、長い髪を拭きながらアキが戻ってくる。ベッドから零れ落ちた下着を拾い身につけながら、なんとはなしにテレビへと視線を向ける。その横顔はシャワーのせいだろう、薄らと上気していて、艶のある肌を照らす間接照明が彼女に色気というフィルターを纏わせる。
 首を振って意識を変える。これ以上はさすがに金が尽きる。
「シャワー、浴びてきたら?」
 声をかけられたときには、すでにタートルネックとワンピースをみにつけたアキがそこにいた。黒のニーソックスを履きながらソファに座っている。
「もうすこし後でな」
「ふーん……まあ、いいけど。じゃあ、先に帰るね」
「おう。財布とって」
 そう言って手を伸ばせば、勝手知ったるなんとやらなのか。自分のではない黒のかばんから見るからに男物の財布を取り出して投げてくる。少しくたびれたブランド財布からはどこか威厳が損なわれているように感じた。
「はい」
「ありがとー」
 差し出した二枚の福沢は、見るからに女物の綺麗なブランド財布のなかへと仕舞われた。いつもと同じ動作。いつもと同じ金額。
「じゃあ、帰るね。バイバイ」
「あ、ちょっと待った」
「なに?」
 バッグを肩にかけたアキが振り返る。面倒なのか急いでいるのかわからないが、髪は乾かさないままでいいらしい。もしかしたら違う男のもとへいくのかもしれない。
 きょとんとした顔のアキを見つめて、言葉を放つために口を開いた。
 しかし。
「………なんでもない」
「なにそれ」
 来たときと髪の毛の湿度以外なんらかわったところのないアキの姿を見て、言う気がうせた。どうせいつもと同じ結果しか生まれないのだから、言うも言わないも同じだろう。
「愛の言葉でも囁こうと思っただけ」
「気持ち悪。……ま、ベッドの中で愛を囁かれるより数百倍マシだろうけどね」
 バイバイ。
 こちらは見ないままに片手を振って、アキは部屋を出て行った。パタンと音を立ててしまった扉をしばらく見つめて、それからやっと体を起こす。
 アキをベッドを共にするとき、正方形のビニルを破ったことはいまでもない。
 もちろん、彼女に愛を囁くことなど、これからもないだろう。


fin

そういえば最近、ウミガメのスープの過去ログをよく見ます。あれ楽しい。

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