廻る廻る、夢 ああ大変だ! ああ大変だ! 私は目の前を駆けていった誰かを振り返った。 金の髪が揺れるその上には、立派な白い耳が2本生えている。 ふいに私は思い出したように走り出す。降って湧いた焦燥感に足を操られ、駆けていくウサギ耳の誰かを追いかける。「待って!」 呼び止めようとしても、ウサギ耳の誰かの足は止まらない。駆けていく背中は、木の幹に開いた穴へ勢いを殺さずに飛び込む。 私は木の幹に開いた穴の前で少し躊躇した。そっと覗き込めば真暗の闇。けれど、どうしてもウサギが気になる。大変だ大変だと呟きながら、駆けていく金の髪、後姿。 私は一度喉を上下させ、木の幹に開いた穴に飛び込んだ。途端、私の体は重力に従順に落下する。思わず息を飲むが、重力の強引さはすぐに消え去り、まるでゴンドラにでも乗っているかのようにゆっくりゆっくりと落ちていく。ポウと灯るのは色とりどりの蝋燭。私を見送り暗闇の中に浮かぶのは人形、洋服棚、椅子など、どこか見覚えのあるものばかり。 周りの不思議な景色に見とれていると、急に復活した重力が私を地面に投げ落とす。ついた尻餅に声をあげつつ周囲を見回せば、金髪もウサギの耳もどこにも見当たらなかった。 仕方が無いので、私は歩く。お気に入りの赤いエナメルの靴は歩いているととても楽しい気分になってくる。 少し行くと、ちいさなマンションを見つけた。マンションの前にはお茶会ができるような白いテーブルと、椅子が4脚置いてある。辺りには誰もいない。私は白いテーブルに近づく。 テーブルの上には、ケーキと、ティーセットが置かれていた。4つあるカップのうちの一つには、中には明らかに怪しい色をした液体が入っている。取っ手の部分には”私を飲んで”と書かれたタグが付いていた。 そんなお願いのような書き方をされては、受け入れるしかあるまい。私はティーカップを手に取り、中に入っている明らかに怪しい液体を飲み干した。すると景色がどんどん変わっていく。白いテーブルがみるみるうちに小さく形を変え、樹木は私の身長よりも背が低くなり、ついにはマンションの3階部分が容易に覗き込める大きさに建物は萎んでしまった。 なんだか、世界で自分一人だけが大きくなってしまった気がして、途端に不安になった。不安でたまらなくなって、次に無性に哀しくなって、う、と声を発せば本格的に悲しくなってわんわん泣いた。零れ落ちる涙が足元に溜まり川を作ることにも気づかずに、私は疲れるまで泣いた。そうして泣きつかれたころになって、足元にコツンと触れた何かを見下ろせば、それは涙の川の流れに乗り切れなかった白いテーブルだった。 ふと目に付いたのは、波に揺れる白いテーブルの上で何故か無事な、丸いホールケーキ。「…………なにかしら」 ケーキはまるで誰かの誕生日ケーキのように、チョコレートの板に何かが書かれていた。私はケーキを皿ごと持ち上げて、細かい字を必死で読み取る。 茶色いプレートには白いチョコレートでこう書いてあった。 ”私を食べて”。 こんなお願いのような書き方をされては、受け入れるしかあるまい。私はホールケーキを皿からすくうと、一口ですべてを口の中に入れた。甘くて甘い味が舌の上で華やかに跳ねる。さっきまでの悲しさが嘘のように幸せになった。 そう思ったら、今度はみるみるうちに周りの風景が元に戻っていく。周りの樹木も、マンションも私の身長を追い越した。そこまでは良かった。けれどそれだけに留まらず、今度は周りのものすべてがどんどん大きくなっていく。3階建てのマンションも周囲の樹木もどんどん巨大になっていく。 私は私の涙の川に溺れる前に、慌てて白いテーブルの上に避難した。そうして周囲の景色の変動が終わる頃、ティーカップは私が座った姿勢で背を預けられるほどの大きさにまでなっていた。 このままでは流されてしまう。どうしよう。そう思ったとき、マンションの2階から白い耳がふたつ覗く。続けて出てきた金髪を持った誰かは、なにかごそごそとしていた後、マンションの2階から涙の川に飛び降りた。見れば、金髪のウサギ耳は魚型のフロートに捕まっている。そのまま川の流れに乗って、ウサギの耳は遠ざかる。 私は慌ててテーブルを漕ぎ出した。彼を見失うわけにはいけない。私は必死でウサギの耳に追いつこうとしたけれど、川の流れがあまりひどくて、じきに白いテーブルから投げ出されてしまった。 そうして気がつけば、川辺に倒れていた。濡れた髪を掻き揚げて周囲を見回せば、すべてが普通の大きさに戻っていて安堵した。けれど完全にウサギは見失ってしまった。これは困ったことである。とても困ったことである。title of "Story 1 of the ■■■■■"to be next episode..."Story 2"*****ガンガン行くよー!3時間で6000字ははたして遅いのかどうなのか。きょうもちこくしましただんだん社会に出るのが本格的に・・・むしろ単位が本格的に怖くなってきました。翼です。ここのところ学校でよく寝るので体が痛くて仕方ないです。加えて勢いに任せインナーを買いまくってしまったので財布も痛くて仕方ないです。関係ないけどサンホラのクロセカが好きだなぁ。海賊のおねーさんが好きです。らーっらっふらっふー♪とりいそぎシスアド、勉強しなきゃっすねorzバイト行ってきまーす。 [0回]PR