プリーズ、ミー、センス。 「いやだからあの…刺さってる、ナイフ」 我ながら素っ頓狂な声を出して、私はチェシャ猫に人差し指を向けた。パーカーと同じ、ピンクと紫が交互に並んだデザインのキャップを貫き、その半分をチェシャ猫の頭部へと姿を消しているナイフ。しかし刺さっている当の本人は表情を一寸も変えることなく、まるでナイフが刺さっていることにすら気付かない風で。「まあ、ダイジョウブさ」 業火に焼かれる罪人の悲鳴のような声でチェシャ猫が喋った。「チェシャ猫は強いからね」 言って、チェシャ猫はこちらを向いた首に合わせるようにゆっくりと体の向きを変えた。そうして右手をゆっくりと持ち上げてナイフを触る。 ナイフを撫でる。「チェシャ猫が兎より強いのは、じゃんけんと一緒さ」 言いながら、そのままするするとナイフを頭部に埋め込んでいくチェシャ猫。マジックショーよりも気軽な動きで、さらさらと音を立てるようにナイフは消えていく。 ――……い、痛くないのだろうか。 予想外のことに目を開いたまま固まる私と双子、悔しそうに左頬をひきつらせる兎、それぞれを目の前にしてチェシャ猫はやはりにんまりと笑っている。「だからこそ――チェシャ猫はウ――サギ――には――弱い」 弧を描いた口元をもごもごと動かして、チェシャ猫は喋り辛そうに喋った。 そしてべっと舌を出して――…口内から現れたナイフをくわえた。「手品だよ、アリス」 チェシャ猫はそう言って、くわえていたナイフで自分の舌を少し切った。Title of "Magic"To be continude...?*****書き切った…!(嬉)タイムオーバーにより携帯に持ち越し。相変わらず自滅道まっしぐら。でもたまには良いこともある翼です。お昼に食べたコンビニスイーツが美味しくてとても幸せでした。まる。今日は良い日だったのかもなぁ。近々拍手を更新したいです~。 [0回]PR