Let's sell blandishments to God!! 驚いたことに、食堂には誰もいなかった。 開いた窓ガラスからチェシャ猫の失踪を告げる号外が何枚も何枚も風に乗って室内へと入ってくる。壁際に置かれた調度品に張り付く号外が、バサバサとはためいては床へ落ちた。「どうしたのかしら」 トランプの女王も椿姫も武器を持っていないので、キリギリスの屋敷が破壊される恐れはないだろう。しかし、だからといって目を離すのをよしとは出来ない人たちである。「椿姫はともかく、トランプの女王にはいてもらわなくちゃならいのに」 私はちゃんと覚えていたことを誰かに褒めてもらいたい。消えてしまった双子を助け出すには、トランプの女王からジャック・オ・ランタンを借りなければいけないのだということもちゃあんと覚えていた。 なのに、私は呟いた言葉にウサギは困ったように笑って、ダンは不思議そうな顔をした。「どうして、アリス?」「だって、双子を助け出さなくちゃ。ダンが言ったんじゃないの」「そうだけど……」 未だ疑問符を浮かべるダンに、私もいよいよ疑問符が上ってきた。同じ方向に同じタイミングで首を傾げる私達を見て、ウサギが苦笑交じりに説明をくれる。「トランプの女王はさっきの彼女ではないよ。違うトランプの女王さ」「はい?」 どういうことだろうか。「つまり、トランプの女王は二人いる、ということ?」「そう」 なんとまあ。双子といい、ウサギと兎といい、どうしてこうも相似的な存在が重なるのだろうか。もしかしたらウサギのいうトランプの女王は先ほどのトランプの女王の母親だったりするかもしれない。「アリス、それじゃあトランプの女王を探さなくちゃ」「そうね。……といっても、どこにいるか私は知らないわよ?」「トランプの女王なら……知ってるかな?」 私は頷いてダンの手を引いた。 キリギリスふたりしかいない屋敷の食堂はそんなに狭くない。一先ず食堂の突き当たりまで歩いてみて、なにもなかったので引き返す。「ウサギ、トランプの女王がどこに行ったか知らない?」 ずっと一緒にいたウサギが知っているわけもないだろうから、とくに期待もせずに訊いてみた。するとウサギは呆れたように息を吐いて、「なんでも人に頼るものじゃないよ、アリス」と私を嗜めた。それもそうねと方を竦めて、私は三月兎に向き直る。「さっきトランプの女王や椿姫と一緒に食堂に来た貴方なら、何か知らない?」 尋ねる私に、三月兎はやれやれと手を広げてニヤニヤとした笑みを浮かべる。「さあな。俺は食堂を出た時点では二人は健在だったぜ。女王はそこの椅子に座ってたし、姫は化粧を直してたし」「ということは、二人がいなくなったのはその後ね……」 もしかしたら私がまな板の上で跳ね回ってる間にウサギやダンの後ろをすり抜けていったということも考えられるけれど、それならウサギは気付きそうなものだ。なら廊下側の扉を抜けて出て行ったのだろうと思うけれど――……そこでふと、違和感に気付いた。「ねえ、貴方」「兎でいい」「それじゃあウサギと区別がつかないわ。そんなことより、キリギリスはどこへ行ったの?」 数センチ上の濁った瞳を見上げるように睨み付けて言えば、三月兎はニヤニヤとした笑みを一層深めさせた。 考えてみれば、私がまな板の上で自分の人生を愁(うれ)いでいる間、ウサギとダンは私を見ていたのだ。心配そうに、助けようともせずに――などというのはたんなる卑屈なので今更言っても仕様がない。いま私が気になっているのは、もしかしたらという未確定な事実。 もしかしたら。三月兎なら。 私の予想は腹のなかで燻り、言葉にする前に眉間に皺を刻んだ。対して三月兎は私の考えなど見通したかのように笑みを途絶えさせないまましれっと言い放った。「食った」 トランプの女王と椿姫の行方を求めて再び所在を尋ねれば、しかし三月兎は首を振って否定したのだった。Title of "AtE"to be continude...?*****ダブルビーミング。を、目指そうとして挫折したタイトルです(苦笑)今後の課題のために恥曝し気味に放置。(ぇ昨日姉さんとカラオケに行ってきました!!姉さんのおごりで(笑)やっぱり身内と行くのはいいですね。気兼ねしなくていいからほんとに好きな歌だけ歌えるし、思いっきり歌えるし。流石に同じ学校の友達といえども電王とアニソンの熱唱は不可能です。や、人にもよるけど。(笑)やーでもほんとに思い切り歌って気持ち良かった!時間が許すならば一回バンプ全曲とかやってみたいですね。今度一人で行ってみようかなぁ。四時間じゃやっぱり足りないや。そのあと、姉さんと一緒に父さんの誕生日プレゼントにハンカチを買って。帰りました。が、今日(6/6)、今朝母親にキレたらしい父さんは帰ってきません(汗もうしょうがないんだよなぁ、母親に関しては僕はもう何も言えない。きっとあの人はああいう人間なんだ。あーでも、今日はなんだかいろんなことがあった気がします。キレた父さんからの愚痴のようなメールを読んでビビって帰って掃除・皿洗い・掃除機かけをしたり。課題は出せたし、クラスメイトに応募した小説の批評してもらえたり。ニコニコ動画みながらハルヒとらき☆すたとか踊ったり、本気で姉さんの今後について悲しくなったり。父さんより先に死んだりしたら嫌だなぁ。血ぃだばだば吐いてるけど。さらにぼくらのを観て涙流したり。うん、変わりない日常なのに怒涛でした。でもそうだなー、そろそろ本気で姉さんのこと覚悟しないとだな。父さんはともかく、彼女が死ぬのなんて想像できなかったからなぁ。血ぃ吐いてるのを直視して、「ああ、あの人も人間なんだな」としみじみ思いました。一体僕は姉をなんだと思ってたのか(笑)まあ、ぼちぼちやってきます。Web拍手ありがとうございました!! [0回]PR