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受け答えでの警戒の必要。

 スマートな働きアリはそれはもう優雅に微笑んだ。うっかりすると見惚れて、そのまま色々なことをなし崩しにされてしまいそうな笑みだった。
「…………」
「…………」
 私は働きアリの腕を握る手に力を込めた。ここで逃してしまってはチェシャ猫の行方はわからないままになってしまう。そろそろチェシャ猫の行方を捜す号外が空を埋め尽くすだろう。ここで彼を逃してしまっては、私がいまここに居る意味がなくなってしまう。
「逃がさない」
 ともすれば囚われてしまいかねない微笑みを睨みつけて言う。微塵の動揺もせず表情も変えることのない彼は、肯定もしなければ否定もしない。
「アリス」
 彼が私を呼ぶ声はいつも心に突き刺さる。暖かい、なんて生優しいものは存在しない。いつもいつも、彼が私を呼ぶときはそれは私を利用するときだ。
「トランプの女王を助けておやり。ただし前当主のキリギリスは傷つけてはいけないよ。椿姫のパトロンだからね」
「また私を利用するつもり?」
「またって失礼な言い草だね。僕がかつてアリス、君を利用したことがあったかい?」
 その言葉に私は肯けなかった。
 破滅的な記憶力を有する私は、彼が前に私を利用したことがあることも、利用した事がないことも覚えていないからだ。覚えていないということは知らないということで、知らないことは肯定も否定も出来ない。
「ほらね」
 くすりと悪戯っ子のような笑みに目を細めて、彼はやんわりと私の腕を解いた。傷つくな、と思う。まるで実の親に捨てられた子供の気分だった。
「チェシャ猫はどうするの?」
「どうするもなにも、チェシャ猫はいつだってどこにでもいるのに、今回はそういうわけじゃないからね」
「助けてあげるの?」
「…………そうだね」
 ウサギは、一瞬だけ驚いたように目を開いて私を見て、そしていつもの柔和な笑みを浮かべて頷いた。
「アリス」
 彼は――制服を来たスマートな働きアリは私に向かって手を伸ばした。頭を撫でるのだろうと思ったそれは正解で、けれど伸ばした手に一瞬だけ視界が塞がれる。
 私は帽子を被ったウサミミの少年に頭を撫でられた。優しい手つきは出会った頃のままで、呼ぶ声の色は微妙に変化してしまった。
 昔のことなど、もう覚えていないけれど。
「アリス」
 私の髪の毛を引っ張り、毛先にキスを落として、ウサギは柔和な笑みを浮かべる。
「トランプの女王を助けておやり。そうすれば、」
 続きは轟音に掻き消された。
 何事かと舞台を振り返ると、椿姫が日本刀を振り回してトランプの女王と戦っていた。なんで今まで気づかなかったと思うくらいの凄まじい争いだ。けれど、なにが一番凄いかというと、椿姫がトランプの女王と手を繋いだまま戦っていることだ。正確に言えば、手を繋いでいるように見えるくらい近付いている。
「あっ」
 思わず振り返ったが、そこにウサギの姿はあった。てっきりこういう場面でのお約束で姿を消していると思ったのに。
「どうしたんだい?」
 ウサギは首を傾げて紅茶を飲んだ。緊張感の欠片もない奴め、と思ったけれど、それよりも私は聞こえなかったウサギの言葉が気になった。
「ねえ、何を言ったの?」
 そう問いかけたところで、誰かに手首を掴まれて飛び上がりそうなほどに驚いた。思わず声を上げてそちらを向けば、誰かがウサギの作った梯子を使って上ってきていた。
「な、だ、誰…?」
 眉を寄せて柵の向こうを覗き込めば、そこには卵の殻を着た人物が。
「アリス…来てくれた…」
 柵を乗り越えてやってきた卵の殻を着た人物は、とても見知った顔なのに全く知らない誰かだった。


Title of "Alice and a rabbit."
to be continude...?
*****
そういえば前の記事のアリスラストシーン。
思いついてすごい書きたかったシーンなんですよね。書けて良かった(笑)

ヤヴァイ。
なにがヤヴァイってそろそろいろいろヤヴァイ。


はてさてこんにちばん。
そろそろネットの世界の住人になりそうな翼です。

ネット、スカイプ、メセ、ネット・・・このサイクルを体が覚え始めました・・・本気でヤヴァイぞ僕(汗
本当に文字通り一日中パソコンにへばりついてます。うわー・・・。

と、一日中家にこもってるので、当たり前に今日のことは書けません。
あ、でも玉子焼き作ったら成功しましたー。わーい。

でも電王とプリキュアは相変わらず面白い。
子供向けのはずの特撮でまさか「おい…アイツやべーぞ…」なんて台詞が聞けるとは思ってなかったです。やっぱり電王は大人向けだよ。小ネタもそうだし・・・あ、でもリュウタロスの空中戦はかっこよかったな。
プリキュアに至ってはもうなんというか、あんなにも「はあ?」を使いまくるのはゆとり教育のなせるわざなんですか。製作スタッフはゆとり教育なんて受けてないだろうに・・でも面白いからいいか。

あ、アニメといえば爆走兄弟レッツ&ゴー!!に大ハマりしてます。ニコニコでUPされてるのを、できるだけ順当にみてる。
昔もそうでしたが、やっぱり烈兄貴が好きだなぁ。あとアメリカチームのジョーさん。
10年くらい前のアニメなのに、セルなのに、あのクオリティはヤヴァイ。
というか、10年前といえばビバップもウテナもエヴァもそれくらいなんだよなぁ~・・・現在の製作技術とか制作費とか考えたら、すごいなあの頃(笑)
レツゴにいたっては無印が100話くらいもあるしWGP編と主人公変わってのMAXとを数えたらかなりの話数になるしなぁ。それだけ人気あったんだろうなぁ・・・。


さて、明日(もう今日か)はカラオケの派遣登録に行って来ます!
喉痛いな・・・怖いです、風邪。

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