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大粒の涙と隠さない泣声が愛おしく。

 ぶんと振られた刀には一端の曇りもなく、ブチ空けられたコロッセウムの大穴から入り込む光が反射して光った。その様がまるでニヤリと笑んだかのように見えたのは私の気のせいだろうか。
「さあ、武器をとりな椿姫!私はいい加減にアンタに負けないといけないんだからさ」
 トランプの女王はそう言って日本刀を投げた。怯えて足の震えている椿姫へ向かって、円を描くように回転し突進する日本刀は、けれど椿姫の体を裂くことはなく椿姫の足元へと突き刺さった。
「いい加減猫かぶりにも疲れてきたんじゃないのかい?キリギリスの親父をたぶらかすのはあまり面白いことじゃないだろうさ」
 くつくつと喉で笑いながら、トランプの女王はジャケットの内ポケットからトランプを取り出した。やはりあれか、トランプを手裏剣みたいにして戦うのだろうか。
「キリギリスの親父も落ちたもんだねえ、こんな小娘に手篭めにされるなんて」
 そつのない手さばきでトランプを切りながら、トランプの女王が前当主のキリギリスを振り向く。いまだ指揮台の上で指揮棒を握ったままのキリギリスは、トランプの女王の挙動に動揺することもなくそこに立っているままだ。私はキリギリスの後頭部を見ながら、ショック死でもしてんじゃないだろうなと疑っていたところだったので、トランプの女王のその一言は非常にありがたかった。すぐにキリギリスが生きていることがわかったからだ。
「椿姫が……娼婦だということは知っている」
「知っていて妾にしたのかい?まったく男って生き物はこれだから……」
 やれやれと両手を天に翳して首を振るトランプの女王。男性関係でなにか問題でもあったのだろうか。
 背後で、スマートな働きアリが苦笑する気配を感じる。
 私は振り返った。
「……なに?」
「なんでもありませんよ。ただ――」
「ただ?」
「ややこしいことになったなぁと思って」
 働きアリは浮かべた苦笑を微笑みに変化させて、私が持っていたカップを受け取った。まだ半分残っているそれに、自分の髪の毛を一本抜いて浸した。
「なにを――?」
「本来の目的を忘れてはいけません」
 柔和に微笑んだ働きアリは、カップの中から髪の毛を引き抜いてVIP席の柵に置いた。するとたちまち髪の毛は太い鎖になった。
「思い出してください、アリス。君は一体何故この演奏会に来たのか?」
 再び引き抜いた髪の毛を、カップの飲みかけの紅茶に浸して柵の上に。鎖がもう一本、柵に巻きついた。
「知らない、忘れました、なんてことは重大な罪になるんだ。トランプの女王に裁かれてしまうよ」
 三本目。カップに浸し、柵の上へ。ジャラリと音を立てて、鎖の梯子が出来上がった。
「さあ、アリス」
 働きアリが差し出した手を取って、私は椅子から腰を上げた。舞台上では椿姫が舞台に刺さった日本刀を引き抜き――その背後にトランプの女王が立っていた。一瞬の隙もない動きだった。一部始終をリアルタイムで見ていたのに、突然早送りの映像を見せられた気分だ。
「さあ、付いて来てもらうよ椿姫!」
 トランプの女王が高らかにそう宣言する。けれど視線は椿姫ではなく前当主キリギリスに向いていた。一瞬の隙間。その後の舞台上は見ていない。けれどたとえば。
 私は一瞬の隙間で頭に電球が灯るようなひらめきに、反射的に後ろを振り返った。すぐ近くにいた、柔和な笑みを浮かべるスマートな働きアリの腕を引いて彼を傍に。無性に喉が渇いた。紅茶が飲みたい。
 私の後ろの舞台上では、トランプの女王が驚きに目を見開いたところだった。背を向けている私には残念ながらわからなかったけれど、その原因はキリギリスが笑みを浮かべたから。その理由は――椿姫がトランプの女王の腕を掴んだから。
 きっとそれはまったくの偶然で。しかしながらまったくの必然であった気もする。
 私と椿姫は、まったく同じタイミングでまったく同じ台詞を発した。
 まったく同じに、ニヤリと口角を持ち上げて。
 意味は違えど、同じ言葉。
「「つかまえた」」


Title of "The catch."
to be continude...?
*****

眠い。

今日も朝からバイトの研修でしたー。
次からはお仕事に入るのですが黄金週間どうしよう・・・日払い短期の他のバイトを入れたいんだけど・・・ううん(-"-;

母さんへの借金総額37000円。
絶対どうかしてたよ3月の僕・・・orz
でも後悔はしてない。記憶にこびりついてる後悔はきっと後にも先にもあれだけだーい。


さてさて、バイトを後にして、昼に学校へ行った僕は姉さんから借りてきた涼宮ハルヒを手に、創立記念式典の講演会が行われるホールへ入りました。
はじめラウンジで時間ギリギリまでご飯を食べていたら、ちょうど会った友達が「人数多くて入りきらない人は別室でビデオ鑑賞らしいよ」と言ってくれたのですぐさまホールへ向かったのです。よかった座席あって。別室だったらきっと読めませんもんハルヒ(笑)
そうして半ば宗教じみた(失礼)講演会を聞き終え、元バンドで集まりがあると思っていたので元バンドメンバーである友達と接触。が、ひとりはもう4限の授業に出てしまったために、4限終了まで待つことに。
これが存外キツかった・・・orz
あの子は意外と話を聞かないんだなぁと思ったり、あまりに暇でお絵かきをはじめたり。
4限が終わって、やっとメンバーのひとりがきたのですが、今度はもひとりたらない。
なのでもう少し待って、じゃあ部室前に行ってみようかってことで行ったら・・・もうひとりいたぁああ!(泣
連絡ミスらしい・・・。
部室前でバンドの解散式(といっても「お疲れ様ー」みたいなこと言うだけ)をやって、解散になりました。

しっかし、この2時間の待ちが自分にはけっこう堪えたのか、お腹は空くし疲れたしで帰って気が抜けたら何故か大泣き。
声あげて泣いたの久しぶりでしたー。スッキリするよりも疲れたけど(苦笑)
つか、なにが不思議って、大泣きしてる間は頭の方が変に冷静で、まさに泣いてる自分を違う自分が眺めてるみたいな状態なことです。
ヤダヨー。そんな、泣くときくらい素直に泣くのに集中したいヨー。

帰ってきてからはやっぱり安易にパソコンをつけるのはよくないと思いました。
駄目だ・・・パソ依存度が半端ない(汗

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