忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

それはまるで罪の味。

 盛大な音を立てて、天井からぶら下がった大鐘が鳴った。
 盛大な音を立てて、無数の拍手と期待に満ちた声が会場に満ちた。
 私は運ばれてきた紅茶を飲もうとしてうっかり落としそうになり、スマートな働きアリに助けられた。ありがとうと言えばどういたしましてと返ってくる。このやり取りは紅茶が運ばれてきて大鐘が鳴るまで、五分とない時間のあいだにすでに六回ほど終えている。
 二回目から五回目までは何故そのやりとりを行ったのかは忘れたけれど、六回目がいまのやり取り、一回目は仮面をつけた私に対して働きアリが「お似合いですよ」と微笑んだ後の会話だ。
「まったく……物好きもここまでくると加者だわ」
 そう言って思い切りため息を吐いた。幸せなんて逃げてしまえ、どうせ今より不幸になりはしないのだから、幸せの逃げ場所なんてないはずだ。幸せそのものがないのだから。
 硬い仮面は、まるで生まれたときからそこに居たのだといわんばかりに、我が物顔で私の顔に貼り付いている。次に仮面を外せるときがきたら、何よりもまず、一度つけたら自分では取れない物なのだと油性マジックで注意書きを施しておきたい。
「息苦しい気がするわ」
「仮面ですからね」
「顔が蒸れる気がするわ」
「仮面ですからね」
「舞台が見辛い気がするわ」
「仮面ですからね」
「…外して欲しいんだけど」
「なにか不都合がおありですか?」
 問われて、私は口をつぐんだ。息苦しい気がするし顔が蒸れる気がするし舞台が見え辛い気がするけれど、それは全部そういう気がするだけだった。冷静になって考えてみれば、息はできるし顔が蒸れているわけでもないし舞台だって普通に見える。仮面をつけていることさえ気にしなければ、なんの不都合だってない。
 しかし、だ。
「仮面、取れないの?」
「アリス様のお試しになった通りです」
 そう言って働きアリは柔和に微笑む。その胡散臭い笑みを横目に、私はくいっと仮面を引っ張ってみた――やはり、取れそうにない。
 実は、貼り付いているという表現は正解ではない。仮面をひっぱると肌も一緒にひっぱられるような感覚はなく、あるのは仮面を付けている感覚だけ。慣れてしまえば、おそらくなにも付けていないと勘違いしてしまいそうなほどだ。けれど慣れてたまるものかと仮面を剥がそうとするが、仮面は私の顔からどこうとしない。ぴったりとフィットしたまま、動く気配も見せない。
 もう一度大鐘が鳴った。
「仮面は嫌いなのよ」見えなくなるから。
「どうしてですか?」
「だって、仮面はふたつもいらないもの」どこに付けるのかは、お好みで。
 スマートな働きアリは何も言わなかった。
 私は舞台に視線を投じる。幕が上がりきる直線、燕尾服を着たキリギリスが、緊張で背筋を伸ばし恍惚に頬を染めて舞台袖から出てきた。舞台中央に置かれたマイクの前に立つと、咳払いをひとつ。
 そして、声高らかに両手を広げる。
「レディース、アンド、ジェントルメン!今宵は私めの演奏会にようこそおいでくださいました!」
 盛大な拍手はキリギリスへの傾倒かそれとも演奏会への礼儀か。手を叩くと両手にある何百万という細胞が一気に死滅するのだそうだ。一体どれくらいの細胞が死滅して、生まれてくるんだろうと、私は全く関係性の見えない事柄に思考を飛ばしてみる。
 キリギリスは、正直あまり好きではないのだ。


Title of "A curtain goes up."
to be continude...?
*****
やっと開演です。


リンゴ飴の美味しさは犯罪だと思う翼です。
大好きです、リンゴ飴。


今日(4/13)はPOLYSICSのライブに行ってきました!!
学校が終わって、姉さんと待ち合わせして、京都の「磔磔」というライブハウスで観てきましたー。
いやあ楽しいと感じる暇もないくらいに楽しかったです。
ライブで跳んだりはねたり歌ったり・・・本当に久しぶりでいたー!!
タオル買った(笑)

と、ここまで書いておいて終わります。
暇があったら、携帯から書き直します
これから用意して岡山に行かなければなりませんあうあう。

短いですがこれでー。





























友達からメールが返ってきた。
よかった、忘れられてないぞ!

拍手[0回]

PR