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遠吠えは負け犬だけがするとは限らない。

 スコル、と卵の殻を着た双子がそう呼んだ生き物は、もう虹色のインコと呼べるような可愛げのある生き物ではなくなった。
 いや、そもそもあの虹色のインコに可愛げというものがあったのかどうかは疑問であるが、その疑問は現状にさっぱり関係がない。
 卵の殻を着た双子は一歩、後退した。
「アアアアリスアリスアリスアリスアリスゥゥウウオオオーーーー!!!」
 もはや虹色のインコでなくなったインコとも呼べない生き物――スコルの右の頭は私の名前を呼び、そして吠えた。大音量の咆哮に、その場に居た誰もが耳を塞ぐ。ウオンウオンと唸りをあげて吠えるスコルに、私は見覚えがあるようなないようなとても不条理な違和感を覚える。
「そもそも、記憶なんて磨耗していくものじゃない」
 両耳を押さえつけたまま、私はぼやいた。そのぼやき声が吠えるスコルに届いたのかそれともただの偶然なのかはわからないけれど、スコルの右の頭はピタリト吠えるのをやめて私の前に飛び降りてきた。
 バサリ、と、虹色でない、黒錆色の羽を広げて。
「アリス」
 スコルの左の頭は虹色のインコとは違い、とても低い声だった。
「俺を忘れてしまったかアリス」
 まともに喋った。
 いや、そうじゃない。突っ込むところは多分そこじゃないはずだ。私はあまりの展開にトリップしそうになった思考をなんとか保たせ、スコルに向かい合う。その横から、私やスコルを迂回して、広場に居た人々が一目散にコロッセウムの中へ走りこんでいく。
 時間が、あまりないのかもしれない。
 私は単刀直入にと、スコルへ手を伸ばした。
「招待状を返して」
 はっきりいって私は人の話を聞かない娘だとよく言われる。その所以は自分のこういうところにあるのかもしれないとわかっているけれど、私は何よりも今どうするかを一番に考える主義なのだ。だから今なによりも優先すべきは、きっとキリギリスの演奏会のはずで、私が卵の殻を着た双子によって八つ裂きにされるのを回避することだ。
「俺を忘れたのか」
 スコルは、足に招待状を握ったままだ。
「…………」
 知り合いだという記憶のない巨大な怪鳥相手に、「はい。きれいさっぱり忘れました」なんてことが言えたら、私は双子のために招待状を手に入れることをしなかっただろう。それほどに私は意気地も根性も現状を打破するだけの知能も持ち合わせていない。
「アリス――本当に頭が悪いんだな」
「その言い方は気にいらないわ。私は記憶力が備わっていないだけよ」
 実際、頭が悪いといわれて否定はしないけれど。
 スコルの左の頭は私の言葉にふふふと懐かしさを含んだように笑った。
「相変わらずだな」
 相変わらずという言葉は、久方ぶりに会った知人に対して使う言葉だ。つまり、私はずっと前にスコルに会ったことがあるということで。
 つまり。
「ええ、申し訳ないけれど、貴方の想像通り記憶力のない私は、申し訳ないけれど、あなたのことを覚えていないわ」
「二回言った」
「二回言った」
 双子が突っ込んだ。
 本当に申し訳ないと思っているんだから、二回くらい言うのは構わないだろうに。三度言えば信憑性は薄まるけれど、二回はまだセーフなはずだ。
「ワワワススレレレエエエタァアアア!!!???」
 スコルの右の頭が甲高い声で叫ぶ。
「ナナナナナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデデデェェエエエエエエエエ???!!!」
 ぐるんぐるんと頭を回して、スコルの右の頭が叫ぶ。あまりに首を回すものだから、左の頭が迷惑そうに右の頭を睨みつけた。
「おい、いい加減に――」
 ガツ、と鈍い音がした。
 あまりに唐突で反応が遅れた。一瞬、何があったのかわからなかった。
 スコルの右の頭が、私の右側にいた双子の片割れを貫いて――その鋭いくちばしで、双子の片割れの卵を噛み砕いていた。


Title of "Skoll"
to be continude...?
*****
えー帰ってきたときにはすでに空が明るんでいました。
眠い気はしないのですが、たぶん目を閉じたらぽっかり眠ってしまいそうです。

今日はでも面白かった。
カウンセラーだというお客さんに自分の身の上をちらりと話したら、「言いにくいんだけど、君は心療内科よりも精神科に行ったほうがいいね」と言われました。どうやら心療内科の先生よりも精神科の先生の方が心と体の関係に詳しいらしいです。
で、お薬を処方してもらって、話しながら自分のことを見つめなおす~・・・みたいな感じらしく。
ううん、そこまでだったか。
まあ実際自分のことを順序立てて話すのは苦手だし、家族にも友達にも言えないことはお医者さんに聞いてもらうほうが手っ取り早いのかもしれませんね。金はかかるけども、そこには守秘義務が生じるし、安全っちゃー安全かも。
まあ「精神科」という名前に拒否や難色を示す人は多いけれど。
最初は個人経営のカウンセラーでも…という話だったけれど、話していくうちに精神科が良いということらしく。京大病院を勧めてもらいました。うーん、行ってみたいけど金がないよ金が。

あと、塾の先生って人がきていて、お話を聞きました。
塾の講師は、ほぼ5、6回の授業のあとのアンケートや、保護者の通告で講師さんはスパンスパンと入れ替わるらしいです。怖い怖い。

それから、上司さんに連れられてきてたらしい21歳男性。
めちゃめちゃ話が合いました(笑)ゲームの話で大盛り上がり!!
だってゼノギアス知ってはる人はじめてや!!!(ゼノギアス信者ですハイ)
なんつーかあれだ。ゲームボーイはきっと僕のなかでは永遠ですよ。一時期ハマってたテトリスが懐かしい・・・目閉じるとブロック落ちてきますからね。
お友達になれたらいいなぁ~♪♪

日払いは6300円でした。
時給二千円でこれは少ねえよ・・・orz(拘束時間ほぼ5時間)
いろいろ差し引かれるのはわかるにしても、労働時間と時給が合ってない気がする。つか絶対合ってないハズだ!
まあ、そんなわけでそれだけの日払いを手に、送りの途中で寄ってもらったコンビにと99ショップでマカロニやら食パンやらを買い込み帰りつきました。



今日はゲームのデバッグのバイト先からの面接合否の電話が着ます。
というか、合格なら電話がきます。不合格ならこない。
どっきどきの13~16時までのドッキドキの3時間でございます。
そのために寝とこう寝とこう(汗


おやすみなさーい!

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