天使が腕を掴んでくれれば、僕はいつだって飛び出せるのに。 「なあ、青山、多重人格者とその詐称の差異はどこにあると思う?」 友人の深草はときに難しい質問を投げかけてくれる。 俺の頭がそんなに良くないことを知っているくせに、こういうインテリじみたことを訊いてくる。最初は嫌がらせかと疑ったものだが、時を過ごし慣れてくると、彼のその質問にはとくに意味が無いことに気付いた。「深草くん、日本語間違ってへん?」「……多重人格者とそれを詐称する者を見分ける術はあると思うか?」 俺の返答に、一瞬言葉の詰まった深草は台詞を言い直した。深草の質問はいつだって唐突で、だから最初の質問の意図がいつも分かり辛い。いや、あえて彼の為に言い直そう。最初の質問では、質問それ自体の意味がさっぱり分からない。きっと、彼自身考えてから発する言葉でもないからだろう。 なら、俺じゃなくてもわからないと思う。「おっけーおっけー、内容はわかったわ」 言い直された言葉に頷き、ふうむと腕を組み、常に稼働率の低い脳味噌を無理矢理動かす。深草となにかしら話をするときは授業中よりも頭を使うように思う。きっとこのまま深草と付き合っていくと、そのうち俺も秀才になれるかもしれない。 そんなことを思いながら、頭の端から深草の質問を引っ張りだす。「多重人格者と、その偽物の見分けかた、なあ…」「相違点でも良いけど」「……うーん、それってお医者さんが判断することと違うん?」「なら医者になって考えてみろよ」 深草がそういうので、俺は医者になってみた。医者の気分で考えて…考えて…そして……。「わからん」 俺は即座に決断を下した。 しかし質問の当事者である深草はきっとこの返答では満足すまい。だから、理由を付け足す。「やって、たとえば多重人格を装ってたって、それが嘘かホンマかやなんて外から見とる人間には判別でけへんやろ。でも本人も気付いてないっちゅうこともあるらしいし、なんつーか、難しいとことちゃう?」「なるほどね」「そうや。やから俺の返答は”わからん”。深草くんはどう思う?」「俺? 俺は自分の判断で決める。俺がソイツを多重人格者だと思えばそうだし、違うと思えばソイツは多重人格者なんかじゃない」 深草の返答に、俺はつい前のめりになってしまった。「……深草くんって、たまにえらい唯我独尊よなあ」「それ、褒め言葉として受け取っとく」 ニヤリと笑う深草に、俺はこれ以上ないくらい盛大な溜息を吐いてみせた。「そうしといて」end———————————————————————————「39」という映画を観ました。刑法30条に関する映画なんですが、これがまたすごい難しかったです・・・なんか色々と考えさせられる映画でした。幼児性愛に幼児虐待に多重人格エトセトラ。スタティックなので最初の方は正直面白くないようにも感じますが、これがなかなか。まあそんなわけで、上のSS。何故登場人物が青山達琉と深草俊介なのかというと、最近彼らに関わっていなかったから(汗)K.Sが進まない。というかなかなか書けてないのは何故だ・・・写真にかまけていた所為だ。だって楽しいんだもん。さあてそんなわけで今日のこと。朝早くに起きたにも関わらず、夕方から出掛けました。友達と約束をしていたアイス屋に行く話は、サークルの方でちょっと駄目になったので残念ながらお断りをさせていただきました。なので来週の金曜に行く予定をとりつけたら、それもおじゃんになったのでもうどうしようかと(汗)メールが返ってこないのが怖いです。あうぁ、怒らせたかなぁ。で、サークルで色々あって、アバンティへ。買い物をしてネクタイと黒縁の伊達眼鏡を買いました!黒いカバンと帽子も欲しいのですが、それはまた今度ということで。友達に買い物に付き合ってもらおうと思います。で、そうして姉貴と一緒にポムの樹に行きました。ポムの樹いいですよね♪ソース美味いし、たまご半熟だし。そうして帰って来て姉貴と一緒に「39」を観たりして今に至るのですが・・・。僕がなかなかMacクンを渡さないので姉貴が怒ってしまった・・・orzorzorzヤバいなぁ、今プチ鬱になりかけてるのに・・・このままじゃ駄目です。といっても、怒った姉貴は放置する以外に方法はないのですが。うぅ、しまったなぁ。SSなんて書くんじゃなかったかも。(泣)ああ、日記の内容の方が短くなってしまった・・・まあいいか。とりあえず寝ます、おやすみなさい。 [0回]PR