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蛮勇の行動力

 褐色の肌をした兎の姿が陽炎のごとく揺らめき、粉雪の肌をしたウサギの姿が文字通り重ねられる。頼りない輪郭でかぶさるふたつの影が目の前で手を差し出して、私の名を呼ぶ。
「アリス」
「アリス」
 違う、と思った。それは彼らの仕事ではない。それはあの卵の殻を着た双子の仕事なのだ。そうでなければならない。
「アリス」
「アリス」
 真綿のように優しい声と嘲笑の滲む声。どちらがどちらのものかなど明白なはずなのに、何故だか私には信じられなかった。
 足元がひどく不安定になる。そのうちに立っていられなくなってその場にしゃがみ込む。
 見上げる先にはふたつの笑み。あのにやにやとした嫌な笑みと、いつもと変わらない柔和な笑顔。
 知っている。どちらがどちらのものかなど。
 けれどどうにも解らない。白と黒が逆転したかのように感じてしまう。いつものにやにやとした嫌な笑みがウサギのもので、柔和な笑みはたしか褐色の兎が湛えていたかのように思えてくる。
 ひどく覚束ない思考で見つめていると、ふたつの笑みが変化。
 嘲笑と苦笑。
 ああ、どちらがどちらの笑みだったか。
「アリス」
「アリス」
「――違う!」
 気付いたときには叫んでいた。ぐるぐると、電話の最中、無意識に紙に走らせたペンのインクのようにぐるぐると頭の中が回っている。
「違う……そうじゃない」
 頭の中が、ぐるぐるしている。
「私をそうやって呼ぶのは双子くらいで、双子はさっき法廷に……」
 そう。そうだ。まるで輪唱のように私のなを呼ぶ双子はあの法廷て、トランプの女王を決めるための法廷で、
「アリス」
「アリス」
「アリス、双子なんて存在しない」
 やわらかな声が、嘲りを含んだ声でそう言った。一瞬の無音に遅れて私は口を開く。
「……は?」
「いや、そうだね。双子はたしかに存在する。否、そんなものは存在しない」
 目の前の少年は、自分で言った言葉を自ら打ち消して自嘲するように笑んだ。
 ふと不思議に思う。どうして彼はいつも、頑なに、まるでその表情しかできないように笑うのだろう。いくつもの種類の笑みが私に差し出されてきた。
 いつも、いつも。
 ――否。
「……ねえ」
 私は前を見据える。少年は足を踏み出してこちらへと歩き出した。ゆっくりとした足取りが進むたびに狭まる距離に、胸の奥深くから恐怖が疼きだす。
 思わず怯んでしまう。
 けれど、退くわけにはいかない。
「あなたは、誰?」
 その台詞を舌に乗せた直後、一瞬の瞬きの隙に少年の顔が眼前にまで迫っていた。
 私が息を詰める間を与えずに少年が口を開く。
「僕は電気羊の夢を見るんだ」
 まるでキスができそうなほどの至近距離で、白い肌をした白いウサギ耳の少年が、柔和な笑みを浮かべていた。
 

Title of "heat devil"
To be continude...?
*****
久しぶりすぎるorz
土曜日に書いてからバイトへ行ったのにいま見たら非公開設定になってたのでせっかくだから新記事で。
白ウサギが猫を脱いできたなぁ。どうなるんだこれから。

ここ数日のこと(というか昨日とか一昨日)
・され竜1巻スニーカー版ゲットォオオオ!!
 少し読んだけど真説の文章量の増加がおもしろい。210円。
・お客さんに菅野美穂似ていると言われる。
 今まで生きてきて2度目。髪が丁度良いくらいに伸びたのでそのせいかと。
・沖縄旅行のコンビニ支払完了。
 あまりの高額に感動で領収書をまじまじと見つめる。
・VOCALOID派生magnetコスプレフラグが立つ。
 なにやってんだ自分orz しかしまあ、モンハンよりは安い。友達のふわふわツインテールミクに期待大。
・本屋にて『会長はメイド様』と『桜蘭高校ホスト部』の新刊を発見。逡巡の末にアニメ化記念でメイド様を買う。沖縄るるぶも買う初るるぶ。
・ネッ友さんの誕生日プレに迷いまくる。お菓子は決めたけど、品物にまだ迷ってます。できれば明日か明後日には発送したいなぁ。
・吃音めんどい。

以上。
ちなみに最後のは今日のも含む。
学生向けハローワークにいき吃音のことを話すと学生向けとともに障害者向けの企業情報も教えてもらえることに。
厳密には障害じゃないからなぁ…説明も難しいし。ああ面倒くせえ。


全然関係ないけど、昨日とってもびっくりしたこと。
100均でいくつか品物を持ってレジに行こうとしたところでふとマニュキアを見たのが事の発端なのかなんなのか。レジを通過し420円を払って店を出、地下の雑貨やへ。そこでふと手の中に違和感を感じ右手を見ると…マニュキアがある。思わず袋の中身を確認するとちゃんとレジを通った品物が4点。

………ん?袋のなかに4つ。払った代金420円。なのに手のなかにある品物。

Σ゜゜( Д )ちょ、え、ええ、ま、まんび…?!!

慌てて100均に戻り手に持っていたマニュキアを購入。本気で気付かなかったからびっくりしました。というか誰か気付け。むしろレジのところで気付け自分。
家に帰った時点で気付かなかったことが本当に不幸中の幸い。
みなさんもお気をつけ下さいorz



しかしここのところほんとに文章を書いてないなぁって思う。
なにか書きたい。でも思い浮かばないっていう……なんだこれスランプ?

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