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明日の生息地は夜の海

 白と黒は表と裏の関係ではなく、左右対称の関係だということを知ったのは春の予兆が訪れた3月だった。
 彼らは立方体を模した砂糖と黒砂糖のように同一で全く別の存在だった。彼らはいつも私と共に居た。白いウサギ耳の少年が私の右隣を歩けば、黒い兎耳の少年が私の左側を歩く。まるでボディーガードか中世の騎士のようだと喉を鳴らして笑ったのは、白磁の陶器のような肌を持つ貴婦人だった。
 白いウサギのいるところに黒い兎も存在したし、白いウサギの存在しないところには黒いウサギも存在しなかった。けれど、白いウサギがいないときは黒い兎が、また黒い兎がいないときは白いウサギが、いつも私の傍にどちらかが存在していた。
 けれど例外があった。チェシャ猫だ。
 不思議なことに、(私が知れた限りでだけれど)三月兎がチェシャ猫と同じ空間に存在しているところを見たことがなかった。それはずっとずっと不思議で、私はいつも思っていた。どうしてウサギとチェシャ猫は仲が良いのに、三月兎とチェシャ猫は仲が悪いのだろう。みんなが仲良くなれば、きっと世界は平和なのに。
 チェシャ猫は世界そのものであり、世界を作る基盤であり、そこらへんの一般人と変わらず、そして世界にとって取るに足らない存在だった。
 たぶんだからこそ、地獄の業火で焼かれる罪人の悲鳴のような声で話すチェシャ猫は、私には良き友人で理解者だった。
 だから私は聞いてみた。
「チェシャ猫は兎が嫌い?」と。
 チェシャ猫は真昼の空に浮かぶ白い三日月にその身を預けて、魔法使いの仮想のように黒のローブを頭から被っていた。ローブについたフードのおかげで顔半分が隠れている。見えるのはいつもと変わらないにんまりと弧を描く唇だけだ。
「嫌いじゃないよ」
「じゃあ、兎はチェシャ猫が嫌い?」
「さあね。チェシャ猫は兎ではないからわからないよ」
「兎のことはわからないの?」
「兎のことはわからないよ」
「ウサギのことはわかる?」
「ウサギのこともわからないよ」
 チェシャ猫はそう言って空を仰いだ。
 私は腰掛けた星の上でふうんと相槌を打って、ふと首を傾げた。
「じゃあ、兎でもウサギでもないことならわかる?」
 そんな質問に、チェシャ猫はうーんとしばらく悩むような声を出してから答えた。
「うん、わかるよ」
「なんでも?」
「なんでも」
 深く頷くチェシャ猫。
 チェシャ猫は嘘を言わないはずだから、きっとそれは本当なんだろう。
「じゃあ聞いてもいい?」
「どうぞ」
 チェシャ猫が淹れてくれる紅茶はとても美味しい。薔薇の香りのするローズティを一口飲んで喉を潤わせてから私は尋ねた。
「あなたは、誰?」
「君は、誰だい?」
「私はアリスよ」
「それが答えさ」
 互いに交わす言葉の間に隙間は無かった。即答と即答の間にあるのは、ただの質問と回答でしかない。
 チェシャ猫はなんでも知っている。
 けれどチェシャ猫は私が望んだ答えはくれない。


To be continude...?
Title of "Question and Answer"
*****


バイトがさくっと終わってさくっと帰ってきたので今回の分のアリスを書き上げてみる。

お腹が減ったけどモノを食べようか迷う午前3時前。用意するのが面倒くさい。

翼です。


今日は友達んちで映画鑑賞会。
行く前に外国人の方に道を聞かれてテンパった。いい加減英会話でも学んだほうが良いのだろうか。頻繁に声をかけられるわけじゃないけど・・・。

映画は『パコと不思議な絵本』と『トランスフォーマー』を観ました。
「パコと~」はとりあえずラストで世界観が崩壊したことを言ったら、「無い頭使ってそんなこと考えなくていいって。論理苦手だろうオマエ。変なとこで頭固いな」と言われました。言い返せないorz
でもパコは話自体は良かったです。ぽろぽろ涙零しながら観てました。
ところどころに「視聴者を笑わせよう感」を感じてしまったけどorz でもあれは話が深いと思う。
「トランスフォーマー」はね、もうね、とっても楽しめました。
ガーン!ドーン!ドバーン!て感じ。途中からもはや敵と味方の区別がつかなくて話もなんだかわけわからなくなってったけど、とにかくあのアメリカ的な大味がめちゃめちゃ楽しめた。ガーン!ドバーン!ガラガラー!ガゴーン!ていう。あとラブコメ。
それにしても質量保存の法則を丸っと無視しているのは宇宙人のなせる技か。
ビーストフォーマーやトランスフォーマー(だっけな?)が好きで興奮が伝わったのもあったかも。
わりとオススメかな。深く考えてはいけない。とりあえず勢いがイイ。ドガーン!ガラガラー!バキーン!以上。

あと友達のやってたゲームを見ました。
戦国BASARA(たしか2)の「親方様ー!」「幸村ー!」ならぬ「伊達政宗ー!」「真田幸村ー!」を観せてもらい。
FF9のエンディングを観た。いやあヤバいっす。当時であのクオリティは半端ない。さすがスクエニ。
ていうかもうあれですよ!ポリゴンに燃える!今の美麗なCGもいいけど、XenogearsからRPGを入りドラッグオアドラグーンのグラフィックを舐めるように見た僕にはあのポリゴンの荒さがたまりません!
なんかもう、FF9はポリゴンで戦闘中の魔法とかのエフェクトのカッコ良さが最高でした。CGも綺麗だしなぁ、PSすげえ。


さーて、明日は書類作りと面接ー。

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