しあわせとはこういうことだ。 三月兎という名前の由来は、三月は人が狂う月だからだ。 そう言ったのは赤と白と黒に身を包んだ猟奇的な女王様だった。右手に斧を。左手に首を。――なんて言っても、やっていることはただ紙切れを破っているだけにすぎない。 だから彼女は今日もまた、粗相をしてしまったトランプを容易く斧で破る。「どうして3月なの?」「飛び降りのウィークデーと同じ原理だよ」「なあにそれ?」 女王はあまり興味がないという顔をして、悲鳴を上げるトランプを一枚、また一枚と破っていく。「月曜日は死体が増えるでしょう。自殺する人が多いから」「日曜日じゃなくて?」「月曜日は仕事に行く前に自殺する人が多いのよ。さあこれから仕事の始まりだ、ああ嫌だ嫌だ。そうだ死んでしまおう……って」「それでいくと、長い休みが終わった後に自殺する人が増えなければならないわ」「最後までお聞きアリス。アンタはどうしてそう答えを焦るんだい。たしかにアリスの言う通り、月曜日に仕事に行く前に人が自殺するのだとしたら、仕事が始まる休み明け、とくに1月に増えなければならない。けれど1月と3月では決定的に違うことがある」「なあに?」「季節」「春だから?」「春だから」 女王は鷹揚に頷く。 春は人が狂うのだという。「つまり、三月兎はいつも頭の中が春なのね」 そう考えれば、なんだか面白い。あのニヤニヤとした嫌な笑い方も、もしかしたら春の陽気が漂う頭の中でえっちなことでも考えているせいかもしれない。 無性におかしくなって声に出して笑えば、女王が不思議そうな目を向けてきた。「アンタも頭の中が春になった?」「三月兎が意外と可愛いってことがわかっておかしいのよ」「……可愛い?」「うん、可愛いわ」 女王は納得しない風だったけれど、それ以上は何も訊かず、トランプをただの紙屑へと変身させることに戻った。今晩の料理はステーキがいい。トランプの紙はよく燃える上に火加減が調節しやすいらしいから、きっと調度良い柔らかさに肉が焼ける。トランプの兵は仕え働き続けた城の奥の暖炉の中で生涯最後の仕事をまっとうしてくれることだろう。「…………可愛い、ねえ。可哀い、の間違いじゃないのかい」 トランプを破りながら女王が呟いた言葉は、私の耳には届かなかった。Title of "The origin."To be continude...?*****三月兎の本来の由来は、「mad as a march hare (3月のウサギのように気が狂ってる)」という慣用句が元らしいです。「三月になると兎は繁殖期になり、さかりのついた兎は狂ったように跳ね回るから」だろうで。そう考えると黒色の三月兎がエロいことを考えながらニヤニヤしてるのはあながち間違っていないようにも思える。なんだか本当に頭の中が春のただの変態のようですが。文字書き意欲復活の兆し。翼です。APOGEE見てきました!道教えてくれた大阪府警どうもありがとうございました!いやあ大阪の人はいい人ばかりです。アルバイトのおねーさんにも道聞いちゃってすみません。コンビニの店員さんもタクシーのあんちゃんもいい人ばかりでした。(どれだけ聞くのかというアレ)まあ行く前にジャケットのボタンが無いことに気付いたり、新快速に乗った直後にチケットを忘れたことを母親からの電話で知ったりバタバタしっぱなしでしたが。PoPoyansは完璧に見れなくて、sleepy.abはそんなに見れなかったけど、トクマルシューゴさんは良かった。あの声いいな、空気と混ざってるカンジ。さてとりあえずAPOGEEの感想。魔法にかかった。というか、夢の国でした・・・。なんかもうとにかくカッコイイんです!永野さんがすっごいワイルドできさくで!でもどっから出してんのかわかんないくらいの魔法の声!そしておっしーこと大城さんはやっぱり妖精のようでした。というか、話に聞いていた通り、あれは魔法だと思います。うん、夢の国にいた。絶対。しあわせってああいうことを言うんだよなぁ・・・。以上、APOGEEライブの感想終わり。ちなみに始まる前、会場の前で話していると後ろとすーっとメンバーが通っていったときに丁度タイミング良くおっしーを間近で見逃したorzお姉さまは好きなアーティストと話し、絡み、今回も僕がシューゴさんを観ているときに永野さんと喋りおっしーと握手までしていたのに・・・!次からライブのときはお姉さまに付いて回ろうと思います。あの人のアーティスト遭遇&絡み率は異常。今日はこんなとこ。今日も僕は幸せです。空も青かったしね。 [0回]PR