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レッツ・リピート。

 辺りがざわめいた。
 ぼそぼそと何かが囁く声がひとつ、ふたつ、みっつ。それが何十と増えて、声は何重にもなっていく。
 声は聞き覚えがあるものだった。
 とても、知っている声だった。
「貴方は一体なにを?」
 首を傾げて返答を促すも、三月兎はニヤニヤとした笑みを浮かべたままでいる。
「アリス、こちらに」
 カリブの海賊のような格好をしたジャックが私の腕を引くより早く、三月兎が足で蹴り上げたサーベルを握りジャックへと切っ先を向けた。
「邪魔をするならお前も喰うだけだ」
 そんな台詞を口にしながら、三月兎はまるで私を守る騎士の如く私を庇うように前に出た。ジャックは憎憎しげに三月兎を見てから、フンと鼻で笑うと肩をすくめる。
「この私めが歪んでいるとでも?」
「……この俺が、狂っているんだぜ?」
「――凶気の沙汰、ということですか」
「全てがそうなら、マッドラビットもこの俺もそもそも存在価値がない」
「……なるほど」
「存在し続けていたいなら無駄口をはさまないことだな」
 私の位置からは三月兎の表情は見えない。
「無駄口――、ですか」
「あそこにいる、狂った怪鳥みたく穏便に生きていたければ何もするな何も言うな」
 ジャックが視線を一度スコルへと向けて三月兎へ戻す。その表情には不満の色。
「すべてはアリスのままに、ということですか」
「それが絶対的な基本ルールだ」
「すべて狂ったままで?」
「それを受容し続けるのなら、マッドラビットはお前を生かす」
 私には二人の会話がさっぱり解らない。
 ただ不思議なことがある。周囲のざわめきはどんどんと大きくなっているのに、二人の会話だけはやけにはっきりと聞こえるのだ。ざわめきは幾重もの言葉がまるで縦横に編まれた布のように辺りに覆いかぶさっている。言葉がその場を侵食するかのように、まるで聴覚を侵さんとばかりに。けれどその中にあって、ジャックと三月兎の声だけは異様なほどはっきりとしている。
「あなたは解っているのでしょう? 泥兎」
「お前はもう、解っていないフリを続けないのか? コソ泥」
「……私がなんの為に、アリスに薔薇の花言葉を教えたと思っているのですか?」
「ならば俺も聞くが、お前はアリスをどうするつもりだ?」
「花言葉で鍵を開けるのです。当然でしょう?」
「……てめぇは”ハコ”の居場所を知っているのか」
「それはそちらの怪鳥にお聞き下さいませ」
 ジャックはにこりと微笑んで、優雅に手のひらをスコルへと向けた。対して三月兎はぴくりとも動かず、ジャックの仕草を見つめている。
「そうか、そいつが……」呟いた三月兎はすっとサーベルを引く。「しかし、アリスは覚えていたと」
 顔の見えない三月兎の声に怒気が混じる。私は何故かその声はとても恐ろしく聞こえた。
「貴方の予想に反して」
「ならば――」
 サーベルが翻り、一閃の光が弧を描く。
「アリスがその言葉を覚えているというのなら、時間を巻き戻すだけだ」
 残酷なサーベルの切っ先がジャックの首飾りを切り落とすとき、ざわめく数々の言葉がやっと頭に入ってきた。
 ――アリスよアリス。
 ――アリスよアリス。
 ――チェシャ猫を。
 ――白ウサギを。
 ざわめきを構成するのは、きっとこの世で最も嫌な台詞。
 ――世界の果てで。
 ――世界の果てで。

 ――早く、ハコを開けて。

 そのざわめきは、私の声にとてもよく似ていた。


Title of "Doesn't want to hear it!"
To be continude...?
*****
うわぁ・・・・巻き戻しかよ・・・まだ長くなるのかorz



どもどもこんにちばん。
考えればそろそろアリス一周年じゃね?とか思いつつ、そろそろ旅行の準備をしなければいけません。

翼です。


昨日は睡眠時間2時間の状態で甲子園に行ってきましたー!起きれたのが快挙だよ!甲子園で頭ガクガクしてたけど!!
父さんと母さんの母校が出てたのでその応援に。
しっかし倉敷工業の勝ち方めちゃめちゃすごかったですね。野球は9回裏からが本番って本当なんだよなぁ。
第二試合の試合の淡々と進む様が不思議なくらいだった(笑)

んで今日は金田一先生のサイン会に行ってきましたー!!
可愛らしい方でした!そして手がやわらかかった!
京都でサイン会をなさるのは初めてということで、本当に来ていただきありがとうございました金田一先生!(><)
これからもコミカルでバイオレンスでギャグでシリアスな漫画を描き続けていただきたいです。
ていうかハレグウもアニメ化すればいいのに。深夜とかでもいいから。


さーいい加減用意して寝るぞー。

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