侮っていた。 そもそもの始まりはなんだったのだろう。 白いウサギ耳をした少年が世界の果てに行く、と酔狂なことを言い出したからか。それとも私が彼に電気羊の話をしたからか。なんにせよ、私はカリブの海賊のような格好をしたジャックのおかげで、ある意味命拾いしたと言っても過言ではなかった。 足元を見れば、ジャックの踵が美丈夫の血に沈んでいる。 そっと足を後ろに引けば、三月兎がすんなりと私から離れた。サーベルを下ろして三歩後ろに下がった。いつのまにか美丈夫の呟きはただのうめき声となっていて、血溜まりもその範囲を広げることをやめていたから、私のエナメルの靴は汚れずに済んだ。黒のエナメルの靴が赤く染まってしまえば、私は足を切り落とすまで踊り続けなければならない。そんなのはご免だった。 背後でバサリと羽の音がする。スコルの羽が辺りに舞った。「そういえば」 私は振り返って、怪鳥へと視線を向ける。「キリギリスの演奏会が始まる前、演奏会が終わったら話があると言っていたわよね?」 その瞬間、空気が凍った。 スコルの双頭が私を凝視する。左の頭が言うには、「覚えていたのか」 ジャックが驚いた声を出した。「キリギリスの演奏会の前など……よく覚えていましたね」 三月兎が訝しげに声を発する。「偉いな、アリス。ちゃんと覚えてたのか」 私は手に持ったままのサーベルを翳して、よっつの顔に順繰りに切っ先を向けた。「貴方たち、ちょっとじゃなく失礼すぎやしないかしら?」 小首を傾げて非難すれば、三月兎のニヤニヤとした嫌な笑みが嘲りの色を宿す。「ならば、俺は謝罪をしよう」そう言って三月兎は優雅にお辞儀をした。「こんな展開は、まさか俺の予想するところでもないからな。最大の賛辞をやるよ、アリス。箱にモノを詰めるのがなにより好きなお前が、壊れかけの脳みその引き出しからそんな重要そうなことを覚えていようとは。この俺でさえ考えもしなかった」 ――だから。 と、顔を上げた三月兎は、サーベルの切っ先を指で押した。プツリと褐色の色をした指先の皮膚が切れる。私は咄嗟にサーベルを引いて柄を離した。 刃物が落ちる軽い音が耳に残った。「あの白いウサギなんかにゃ、到底思いつきもしないだろうな」 そう言って三月ウサギは、指先から流れる液体をぺろりと舐めた。 あの嫌らしいニヤニヤとした笑みを浮かべたままで。To be continude...?Title of "The sense of incongruity of the March rabbit."*****から揚げとかから揚げとか揚げパンが大好き。ここのところ深夜になるとキッチンに立つ。翼です。オンの友人に検索で容易にひっかかったと聞いて、検索避けをしようかなぁと思った。検索避けをしてない理由は、ただ面倒だなっていうのと、オフの知り合いでもここを知っている人は数人いるけど、すぐに飽きて見なくなるしいいか、と放置していたのも理由のひとつ。オンも同じか。でも思った以上に赤裸々に書き過ぎたのか、自分の行いがそうそう他人もしないほどのドジのようで。ちょっと恥ずかしいなと思ったり。適度に放置してくれるならそのうち見なくなるだろうし身バレしてもいいやーと思っているけど、流石にドジのが人よりちょっと多いとかなら流石にちょっと恥ずかしいぞ。・・・というか、そもそも携帯サイトだったからってのもあるんだよなぁ。オフの周りの物書きは携帯小説サイトを見ない傾向にあるから。うし、気が向けば検索よけをつけよう。今日は寝ます。明日は先生とお話ー。奨学生になれるといいなー。 [0回]PR