笛の音と浴衣の群衆 金の髪の彼女が口を開いて言った言葉は、私の予想と少しも外れていなかった。「なら……アリスが女王になればいいんじゃないかしら?」「私、が?」「そう。トランプの女王の名を継いで、トランプの首を切り落として、薔薇の大群に囲まれて生き続けるの。素敵でしょう?」 冗談じゃない、と思った。勘弁してくれ、とも思った。 そんなこと、誰がやりたがるものか。「ど、どうしてそうなるのっ?!」 私だってトランプの女王なんてやりたくない。そのポジションは自分の名と体を渡して受け入れる価値のあるものだとは到底思えなかった。「トランプの女王が襲名するのが、嫌なんでしょう?」「アタシを庇ってくれるなんて……噂に違わぬ優しい持ち主だねぇアリス」 トランプの女王の笑顔が恨めしかった。 彼女の瞳は嬉しそうに輝き、この時を待っていたのだと仄暗い声で囁いた。「私が、トランプの女王がトランプの女王になるのを反対しただけであって……」「トランプの女王がトランプの女王になることを反対しているのはトランプの女王以外でアリスのみ。ならばアリスがトランプの女王になれば、トランプの女王はトランプの女王でなくなる。簡単な構図でしょう?」 頭が混乱しそうな言い回しだった。 私は少しでも立ち止まれば置いていかれそうだったので、少ない脳みそをフル回転させて金の髪の彼女の言葉を飲み込む。「複雑な構図よ」私は言った。「わけがわからないわ。どうしてトランプの女王がトランプの女王になることを拒んだことを私が支持したからと言って――私だけが支持したからといって、私が彼女の代わりにトランプの女王にならなければいけないの?」「それはね、アリス」 厳かな法廷内に金の髪の彼女の声が響き渡る。「私だって、トランプの女王でいるのは嫌だからよ」 まるで冷めた瞳だった。 ブルーの宝石が私を見下ろし、硬質な笑みと共にその瞳の幅を細める。 そこで、私は、ふと、思った。 思ってしまえば口に出さずにはいられない性格の私は、そうしてそのまま口を開く。「……トランプの女王って、何なの?」 それは、後にして思えば第一の鍵だったのかもしれない。 ウサギが目を細めたことに私は、気が付かなかった。Fin*****もうだんだんと自分が何が嫌なのかがわからなくなってきました。うーん、うーん。頭がぐるぐるしてます。うーんうーん。絵が上達しているようなしていないような。とりあえずやらなければいけないことを放り出してやりたいことを優先しています。レッツ自分至上主義!イエア!雨に濡れるのは好きですが、雨に降られるのは好きじゃありません。翼です。悩み事が尽きません。うーむ。色々考えて、でもやっぱ思い直してみたりして。ちょっとした優しさや笑顔にすぐコロッと言っちゃうのがネックかなぁ。でも今日のはちょっと恥ずかしいかった(*ノノ)ご心配をおかけした先生すみませんー。きっと大丈夫だよ、生きてるよー。うしおやすみなさい!今日も来てくれてありがとうございます! [0回]PR