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忘れそうになったら この歌を 歌うの

 金の髪の彼女に見つめられて、私は身動きが出来なくなった。
 どうも、今ここで動いてしまえば、金の髪の彼女に指名される気がしてならない。
「――とにかく」
 トランプの女王はため息と共に吐き出した。
「トランプの女王の選定をもう一度やり直してもらおうか」
 場に落ちる静寂に、私は冷や汗を流した。背筋を通り越して体自体が凍りついてしまいそうなのに、心臓がどくどくと熱くその動きを増している。
 金の髪の彼女は私から目を放さない。薄く笑んだまま、その瞳はまるで蛇のそれだ。
 蛇だ。獲物に深く喰らいつき放すまいとする、蛇の眼だ。蛇といえばどこかの公爵夫人だが、ああ、そういえば彼女もここに来ていたような。
 カーンと木槌が甲高く鳴いた。その音に私ははっとして金の髪の彼女の瞳から解放される。
「トランプの女王の言葉に、賛成の者は挙手を」
 カンカンと裁判長が小槌を打ち付ける。
 トランプの女王はすぐさま自分の片手を天高く持ち上げた。
「賛成」
 言葉は法廷に浅く染み込んだ。
 私も彼女に続き片手を挙げる。こんなにも嫌がっているのなら、彼女の気持ちを汲んでもう一度選出をやり直すべきだろう。
 布擦れの音ひとつしない法廷内。
 ウサギの声が響いた。
「どうだろうか、ローズ。ここはやはり選定をやり直すかい?」
「……あなたはどう思う?」
「どうもこうも僕は――アリスの、思うままに」
「なら、やり直すべきかしらね」
 私は後ろを振り返った。
 トランプの女王の候補者達が私を見ていた。
 裁判の傍聴者の視線がすべて私に注がれていた。
「…………嘘」
 素晴らしい偉観そして壮観。
 重なった意味は視線の数より圧倒的に少ないが、言葉の真意をそのまま読み取ってくれると幸い。
「…………なんで?」
 思わずトランプの女王を振り返る。
 片手を挙げたままの彼女は、うっとりとした瞳で私を見つめていた。
「アンタならそう言ってくれると思っていたよ、優しいアリス」
 まるで極刑を宣告されたような気分だった。



To be continude...?
Title of "Only two."
*****

プチ鬱です。梅雨だから。はやく明けるといいなぁ。
あでもブラック★ロックシューターを聞いてテンションは上がった。歌詞もメロディもいいなぁ。やっぱいい曲は心にくるもんだ、うん。


タイトルはニコニコ動画で人気のミク神、ryoさんの「ブラック★ロックシューター」より。
久しぶりにミク曲にハマった翼です。


そういえば本当は昨日の日記で告知したかったのですが、力尽きてしまってすみません。
[VOC@LOiD M@STER 4]にてサークル「彼岸の空」さんに寄稿させて頂きま……頂いてました。(すでに過去形か)
昨晩ペンタブ(一万円くらいのBAMBOOです。お絵描き楽しすぎる)で遊びながらメッセで話していたゆうさんに「原稿やらなか」と誘われたのでホイホイお邪魔してしまったのです。
版権もの、高校以来ちょっと前に一個やっただけだったからなぁ。久しぶりだった。そしてと楽しかったです。
お誘いありがとうございましたゆうさん。とここで言ってみる。


さて今日はこのへんで。
遅くなりましたが28日の拍手ありがとうございました!元気でます!
ブログを見てくれている皆さんもありがとうございます!


おやすみなさーい!
早く梅雨あけろー( =□=)ノシ ==(念)

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