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その手は誰のためにある?

「身体……?」
 私はトランプの女王の言葉に首を傾げた。ウサギはにっこりと笑みを浮かべる。
 「トランプの女王は襲名制と言ったけれど、それだけじゃないよアリス」
「どういうことなの?」
 ウサギに問いかければ、白く長い耳を揺らせた彼はついと手を金の髪の彼女へ向ける。そちらに聞け、ということらしい。
「……トランプの女王は」
 口を開いたのは赤と白と黒で着飾った現在の女王。
「名を冠せばその身を譲り、王冠を戴けばその名を贈る」
 そう言って、憎憎しげに唇を噛むトランプの女王。私は申し訳ないと思いつつも、口を開いて飛び出たのはやはり質問だった。
「だから、どういう……?」
「襲名は襲命。名を引き継ぐことであり命を引き継ぐこと。トランプの女王は死ぬことがない不滅の肉体。だから――」トランプの女王はそこで一旦言葉を切って、金の髪の彼女を真っ直ぐ指差した。「――トランプの女王は襲名と同時に襲命し、次のトランプの女王となる者の肉体を奪う」
 ――つまり、トランプの女王とは赤と黒と白で飾られた不死の肉体そのものであり、女王が変わるときに候補者と女王の意識を交換しているということか。
「いい子だね、アリス」
 私の声なき呟きに白いウサギは満足げに微笑む。私は彼を見上げて確認する。
「……そして王冠を被らない限り、後継は完了しない。名前を継いだだけでは不完全ということは――逆に言えば――いまならまだ襲名をやめることが可能なのね」
 私の言葉に、ウサギはにっこりと笑みを深くした。
「ご名答。少しは賢くなったようだね、アリス」
 ウサギの上から目線の台詞を受け流して、私は金の髪の彼女を見る。彼女が先代の女王だというのなら、そして今私の横にいるトランプの女王を指名して襲名を促したその人ならば、その肉体はそもそもはトランプの女王のものなのだろう。
 金の髪が美しい美女は、赤い唇の両端を持ち上げたまま、私たちを見下ろしている。
「でも、襲名をやめるってどうすればいいの?」
「さァね。いままでこんなことをした人間はいなかったから知らないさ」
 なるほど、トランプの女王はパイオニアだったわけだ。今まで誰も行ったことのない、襲名を拒否するという無謀を冒した愚かな第一人者。
 トランプの女王に反抗すれば首を落とされるだけでは済まないだろうに。
 …………うん、そうだ……絶対。というか……どうして私は、そんなことを知っているんだ。たしか、ここへは初めて来たはずな
「だがアンタなら知っているじゃないのかい?!」
 思考はトランプの女王の叫びに掻き消され、一瞬前まで何を考えていたのかさえ吹き飛んでしまった。
 裁判員席から私たちを見下ろす金の髪の彼女の笑みは消えない。
 赤い口紅が上下に分かれ、その形よい唇が言葉を紡ぐ。
「冠を頭に乗せれば、貴方だって知れるわ」
 その瞳は、私を見ていた。



To be continude...?
Title of "The truth of the succession."
*****
前回のアリスをちょこっと修正



自転車に乗って自転車を持って帰ってきたら左肩がビキビキしてました。湿布貼ったら治ったけど。いやー医薬品万歳っす。


どうもどうも。一ヶ月遅れの五月病です。もはや五月病じゃないけど。
翼です。


JavaScriptがわっけわかんねえ!!orz
課題をやろうと前の資料を見直したり教科書を見たりしたんですが本当にわからない。なんでだろう、HTML内部に埋め込むやつならできると思ったのに。ちぇ。


どーもやる気がでないっす。
イロイロやる気がでない。ふとすると書く気すら無くなりそうで怖い。
うがーうだうだー。

でも弘法さんには行きました。父さんのお使いでたらこを買いに行ったら、何故かメロンとわらび餅とカルメラとリンゴ飴という大荷物になってしまった。買いすぎた。でもリンゴ飴は相変わらず美味です。あれは未来永劫に残って欲しい食べ物のひとつだ。

そして携帯が早くも帰ってきました。データもばっちし残ってたしお金もかからなかったです。ひゃっほい('v')b


さてもうイロイロだめだ。
寝るとしよう。

明日天気になーれ。

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