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移動する揺りかご。

 それは、白薔薇だった。
 否、正確には白薔薇と形容したくもない。けれどそう形容する以外にわかりやすく伝える術を私は知らなかったし、実質それは白薔薇と形容しても差し支えないだろう。――麗しく開いた花びらの裏側に大きな口が付いていて、そのうえ茎が無数に枝分かれ、触手のように蠢いているせいで、どうにもただの白薔薇には見えないのだけれど。
「ぎゃああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
「待ちやがれfuck!!」
 悲鳴を上げながら逃げ惑う白薔薇を、トランプの女王が非常に楽しそうに追い掛け回していた。右手に鋏、左手にピストルを装備して、異常なまでのスピードで白薔薇を追い回すトランプの女王のなんと恐ろしいことか。それにしてもそのトランプの女王から逃げ回る白薔薇も大したものだけれど。
「あれ――」
「白薔薇よ。あの鋏じゃないと目覚めた薔薇は切れないの」
 私が問う前に椿姫が答えをくれた。
 しゃきん、しゃきんと鋏の擦れ合う音を響かせながら、トランプの女王は白薔薇を追い詰める。恍惚としたなかに過度の幸福感を見出したような表情がぶっちゃけ気持ち悪い。
「白薔薇の叫び声を聞くと寿命が縮むとかないでしょうね」
「白薔薇はマンドラゴラの仲間だけど、あの叫び声はただの騒音公害だもん。そんな効果ないわ」
 …仲間なのか。
「ちなみに赤薔薇の場合、茎の部分がトカゲに変化するわ」
 ……ポルノグラフィティのパクりじゃないか。
 もう突っ込むのも面倒になった私は、ついとハートの11が差し出した手を取って手術台から下りる。
「ご機嫌は如何ですか?」
 ハートの11は私の顔を覗き込んで尋ねてきた。私は安心させるように微笑んで、
「ありがとう。おかげでとても良くなったわ」
「それは何よりで御座います、アリス」
 ハートの11の後ろで断末魔が上がった。白薔薇の花弁がふわりと舞い上がりそしてひらりとひらりと落ちていく。ああ、壁などに登らなければもう少し生きながらえたかもしれないのに。
「ドアの向こうへお行きなさい。代金は結構ですので」
 金を取る気だったのか、と思ったが言わなかった。代金は結構ですと言われれば私に手術台を払う義務は発生していないのだ。ここはさっさハートの11の言う通り手術室を後にするのが得策だろう。
 私はもう一度ハートの11にお礼を言って手術室のドアに向かう。取っ手の無いドアは軽く押せば開くだろう。
「ああ、アリス」
 指先がドアに触れたところでハートの11に呼び止められた。やっぱり代金を請求されるのだろうかと少し怯えながら振り返ろうとするが、トランプの女王が背後から私の肩に手を置いて視界を塞いだ。
 何事かとトランプの女王を見上げるが、彼女は口の端を持ち上げたまま何も言わずに首を振っただけだった。
「貴方が女王になる日を待ちわびております」
 ハートの11の言葉にどうしてか嫌な気分になったので、私はトランプの女王が視界を塞いでいるのを幸いと振り返ることを止めた。
 そうしてそのまま手術室のドアを開ける。
 だから私は、椿姫とトランプの女王の二人がハートの11と笑みを交わしたことを知ることがなかった。


Title of "The last moments of the white rose."
To be cotinude...?
*****

ジョバイロ、初めて聞いたけどポルノさんらしかったです。
ジャケットがキモ面白かったので少し拝借。


さあ2時を回った。明日も9時から、翼です。

朝から岡山行ってお祖父ちゃんのお墓参り行ってきました。
車の中でずーっと寝てた。グッバイ車酔い。

岡山の田舎のお家、冬に返ったときにチューリップを植えていたのですが、見事に咲いていた。
花があるっていいですね、心が和む。育てようとは思わないけれど。









あと1ヶ月半か・・・間に合うかな。

   











ふと死にたくなって、これはもしかしたら泣きたいだけなんじゃないかという考えを思いついた。
振って沸いた激情を持て余して、どうしたらいいかわらなくなってるだけなんじゃないかと。
でも消えてしまいたいと思うのは間違ってなくて、やっぱり死にたいのかなと思ったり。

だめですね、どうにも僕は妬み嫉みが多い。
自分は何もしてない癖に人を羨むのは間違っている気がするのだけども……何もしてないから、かな。

新学期始まって一週間、そろそろ人が怖いです。うへえ。
そういえばこないだ姉さんに「被害妄想なのはわかってるんだけど、、基本的に笑われてるように思うんだよね」と言ったら「アンタ大丈夫か」と言われました。
大丈夫さ。自覚のあるうちは大丈夫だって、中学の友達は言ってた。高校でそれは体感し……うん、したな。あれは、多分、大丈夫だったんだまだ。


あ、もしかしたらもう5月病なだけかもしれないな。早ぇえよ。



まあ、いいか。
結局ひとつ失敗してんだから、後悔こそして、にかいめは無いんだ。
抗うのは無意識でいい。

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