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9つの戒律

 ふわり、と空気が揺れた。
 それは気のせいだったのかもしれないし、もしかしたら女の勘というやつかもしれない。どちらにせよ、私はそれに気付いた。
「あ」
「あ」
「動いたな」
「動いたな」
 双子もそれに気付いたらしく、身動きする音が聞こえた。
 そこで、はた、と気付く。
 ここは真っ暗で、音も光も上も下も右も左も前も後ろも――それこそなんだってないけれど、ただひとつあるものがあったのだ。
「……声、が」
 言ってふと気付いた。空気。緊張した空気がどこかから流れてきている。
「なにか」
「なにか」
「「言ったか?」」
 声のほうからだった。双子が緊張――否、なにかを警戒している風な声色を発している。
 私は少しだけ逡巡してから言った。
「ここんは、声があるのね」
 言ってなるほど、と納得した。改めて知った、と言った方が適切かもしれない。気付いて理解し昇華しなければ、それは本当に知ったことにはならない。
「声など」
「声など」
「「私たちには無用」」
「そりゃあ貴方達は双子だもの……」
 私は半眼でもって双子を見つめた。片方はまだスコルの羽を巻きつけている。もう片方の着ている殻にはヒビが入っていた。
 双子と私の距離は五メートルほど離れていた。空間は黒く、足はつかないけれど漂っていられる。無重力なのかもしれなかったが、それにしては抵抗がある気がする。なんていうか、空気が普通のそれよりも硬い。
「あれ?」
 ――双子が?
 そもそも、物質の輪郭をとらえるのに光は不可欠だ。正確に言えば反射と言った方がいいかもしれないが、それだって光がなければ不可能である。
 ではなぜ、私には双子の姿が見えるのか。
 私は体を動かして、頭を上(と思える方向)に持ってきた。そうして辺りを見回し、近づいてくる白い光を捉える。
「……なに?」
 眩い光を放つ方向に体をむけ、額に手を当て目元に影を作る。光の根源を見極めようとしても、なにかわからない。
「あれは」
「あれは」
「「危険だ」」
 双子が強張った声をあげる。
「知っているの?」
 尋ねる私に一瞥もくれず、双子は同音同句で口を開く。
「「魚だ」」
 身構える双子に、私は首を傾げた。
 魚って……一体なんのことだろう。


Title of "A light"
to be continude...?
*****

お久しぶりですアリスですー。

もうね、もうね、なんでこんなにやる気でないのかと小一時間って感じです。
盆踊りのこと書きたいのに昼間は書く気おきないってどうなんだこれ;こうしてる間にも記憶は磨耗していくぞー!
・・夜行性なんだろうか・・・。

屍鬼文庫三巻読み始めましたー。
姉さんに「これからどんどん怖くなっていくよ」と言われ、どきどきわくわくぶるぶるしています。
楽しみだなーvv読書はいいです。気持ちいいです。


さー明日からバイトだー。
お土産忘れないようにしないとだー。

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