忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

景色

 見上げた空は雲ひとつない晴天で、見下ろした町は光に満ちていた。だから私は空を見上げるのが好きだった。
 螺旋階段の一番下の段を下りたところには、ぽっかりと穴が空いていた。覗き込んだ深淵は果てしなく続いていて、うっかり落ちてしまいそうな気分になった私は顔をあげてスコルを見上げた。
「ここに双子がいると思う?」
「時間の狭間に紛れ込んだ者が出てきたという話は聞いたことがない」
「これは時間の狭間なの?」
「それは兎が知っている」
「ウサギが?」
「そう、兎が」
「……そう」
 私は腕を組んだ。さてどうしよう。猪突猛進に突き進むのは性に合っているが、予備知識もなにも無い状態では流石に躊躇してしまう。
 何か使えるものはないだろうか。私はふと辺りを見回した。
 螺旋階段は崩壊し、辺りには瓦礫が転がっている。崩壊ではなく消滅を起こしていれば、綺麗なただの天井の高い部屋だったろうに、せっかくの静寂が消えてしまって少し残念な気がした。スコルの衝撃で破壊された壁から差し込む色の無い光が、部屋を浮き上がらせている。
 他には何も無かった。
「困ったわね」
「アリスが行けばいいよ」
 ふうと息を吐くと、隣で穴を覗き込んでいるダンがとんでもないことを言った。
「それは遠まわしに死ねと言ってるの?」
「そんなことないよ! アリスが死んだら困る。双子が帰ってこないもん」
「私のことはいいのね」
「アリスは大丈夫だもん」
 どこからくる自信なのか、ダンはさも当然だという風に言ってのけた。根拠も確証も保証もないのに、ダンは確信していた。
 私は穴に視線を落とす。直径二メートルほどの穴はぽっかりと、水彩画の中に落ちた油絵の具の染みのように景色から浮いている。
「 ア  リス」
 甲高い声だった。
「ハ イレバ  イイ」
 右の頭が、にんまりと笑みを造る。
「ト思ウヨォオオオォオオオーーーーォォオオオーー!!!?? アハハッハーハハハハーアハハー!!」
 鼓膜を振動させる高音域の笑い声に、思わず顔を顰めて耳を塞いだ。左の頭は右の頭を制御できないのだろうか。こんなイカレた奴は甚だ迷惑なのだけれど。
 そう思って左の頭を睨みつけたら、首をすくめて諦めたように息を吐いた。ひどい。
「大丈夫?」
 いまだ大音量で笑い続ける(その間に「ハイレバイイ」と連呼している)声に、ダンは大丈夫なのだろうかと心配になって隣を向いた。驚いて穴に落ちでもしていたら洒落にならない。
 けれど、ダンは耳を塞ぐこともせずに何かを考えているようだった。
「ダン?」
 呼びかけて、はじめて顔をあげる。
 どこかすっきりした様な顔で、うんと頷くその仕草がたまらなく嫌な感じだった。
「アリス、二人を――――てね」
「え?」
 キィキィ声のスコルの右の頭は一度黙らせたほうがいい。よく聞き取れなかったダンの言葉を聞くため、私はすこし腰を折る。
「何て? ごめん、もう一度言っ――」
「がんばってね」
 微笑みと共に吐き出された言葉。揺らぐ私の体。
 突然無重力状態に置かれた体は、そのまま引力の法則に抗うことなく落ちていった。
 見上げた世界はぽっかりと空いた穴から覗く、ダンの顔とスコルの甲高い笑い声。
 晴れた日の空を思い出す暇もなかった。


Title of "The hole"
to be continude...?
*****
はいアリス落っこちたー。


課題がうぎゃー!状態な翼です、皆さんおはにちばん。
久しぶりにアリスを書いたらダンがとんでもないキャラになってきたなと実感。
パソコンのそこの貴方、決して人を時間の狭間に突き落としたりしてはいけません。(しない)


学校へ行くとテストをやっていてびっくらしました(汗)
教科書が思いだけの荷物に・・・orz
まあいいや。

そういえばコードギアスの24,25話を見ました。
上手い終わり方しやがって・・・!!!
あの演出はずるいなぁ。読める展開だけど後が気になってしょうがない(笑)大人しく9月まで待つとしますかー。エヴァも楽しみだなー。


学校で友達と話していて、サークル内で恋愛沙汰とか対人関係がゴタゴタしていることに二人でちょっぴりテンションダウンしてました。
んー、なんていうか、20歳にもなってリスカ痕をみせびらかすのはどうかと思うなぁ(´・ω・`)せめてリストバンドすると絆創膏するとかさ・・・周りの精神衛生にも悪いのですがorzもっと気遣い持とうよ・・・まあ、僕が言えたことじゃないし、むしろ人のふり見て我が振り返ってるところもあるんだけど。
――にしても、僕は聞くだけで済んでるからいいけど、あの子は大丈夫かなぁ。話して少しでも楽になるなら、僕が役立てているといいんだけど。


家に帰ってから、こないだ買った服を返品しに行って、ついでに母校に寄ってきました。
タイミング悪く、元担任の先生は用事でお休みだったらしい;また会いに行こう。
だから違う先生と少しおしゃべりして帰ってきました。色んな先生が移動で離れちゃってるらしくてちょっぴり寂しいです。

で、その母校に行くときも帰りしもなんですが、デジカメでパチパチ。
デジカメのフットワークの軽さは素敵です!いいなぁアレ。でもやっぱりフィルム使って一枚一枚「カシャ!カシャ!」て音鳴らして撮るのも好きだvv
どっちも好きだなー。やっぱり写真ていいですね、うん。



夕焼け時の青白オレンジへと変わっていく空のグラデーションがなんともいえない。
そのうち写真載せようかなぁ。

拍手[0回]

PR