店員

　今更双子に「演奏会が嘘でした。ごめんね許してちょ」なんてことが言えるとしたら、きっと私は伝説の剣を引き抜けるに違いない。私はそんな勇気など持ち合わせがないので、一刻も早くカエルの公爵に会う必要があった。
　カエルの公爵はキリギリスの将棋の勝負相手である。一体何故よりにもよってチェスやオセロではなく将棋なのかという愚問はもはや私がアリスだからという以外に説明の仕様がない。きっと人の嗜好や習慣なんてそんなものだ。
　カエルの公爵の家はバーガーショップの隣でもアイスクリームショップの隣でもなかった。否、どちらとも是と言えるしどちらとも否と言える場所にあった。
　上、である。
　バーガーショップとアイスクリームショップは隣接し、その上空にあたる位置にカエルの公爵の家が存在していた。これでは郵便物はどこに配達させるのだろうと首を傾げたが、よくよく考えればそんなことを考えてもその答えを知っても、私には利害も何もないのだ。いま考えるべきことは、どうやってカエルの公爵の家のベルを鳴らすか、である。
　さてさて。前回芋虫が「妖精の鱗粉を浴びるのを忘れてはいけない」と言っていた伏線はここで消化されたわけであるが、伏線が消化されたところで私には何の得にもならない。まったく世知辛い世の中である。
　私はしばし途方にくれた。とりあえず、とカエルの公爵の家（のある位置）の周りをぐるりと回ってみたものの、階段もエレベーターも梯子もなければどこでもドアもなかった。
　今更妖精に妖精の鱗粉を浴びに引き返すのも更々面倒である。
　私がこれからどうしようかとぼんやり悩んでいたら、バーガーショップの店員に話しかけられた。
「お客様、ご一緒にサラダはいかがですか？」
「いいえ、もう十分です」
　私がそう言ってやんわりと断りを入れると、今度はアイスクリームショップの店員が話しかけてきた。
「お客様、ストロベリーでしたらチョコレイトの方が合いますよ」
「いいえ、もう十分です」
　バーガーショップの店員もアイスクリームショップの店員もにこにこと気色の悪い愛想笑いを浮かべて近づいてくる。片やハンバーガーを手に。片やコーンを手に。
「お客様」
「お客様」
「「いかがですか？」」
　綺麗な輪唱だった。
　双子を思い出す。急がなければキリギリスの演奏会に遅刻してしまうかもしれない。演奏会の会場には一瞬の遅刻すらも許されないので、なによりも急ぐ必要があった。
　そこで私ははっと思いついた。
「わかりました。買いますから、カエルの公爵様のお家へ行く方法を教えていただけませんか？」
　そう言って私は上空を指差した。カエルの公爵の家の下に位置する場所で営業を営むバーガーショップの店員とアイスクリームショップの店員ならば、カエルの公爵の家へ入る方法を知っているだろうと思ったのだ。しかしバーガーショップの店員とアイスクリームショップの店員は私の指の先を見上げ、一度だけ顔を見合わせて、最後に私を振り向いた。
「いまならポテトもおつけしますよ」
「いまならもうひとつお好きなアイスクリームをお乗せしますよ」
　私は口元を引き攣らせながら挙げていた腕を下ろした。
「・・・いただきます」

Tittle of
"A salesclerk of a burger shop.
 A salesclerk of an ice cream shop."
to be continude?
*****

バーテンダーのアルバイトの面接を取り付けましたイエア☆
明日さっそく行ってきます！！
わーいわーい。新開拓アルバイト♪
吃音だということはちゃんと言おうと思います。それを言って、どこまで押せるか、が僕の腕の見せ所。
落ち着いて話すぞー。

そしてHPの方ちょいTOP変更しました。
3月始めって微妙な時期。春なんだけど、まだ寒い時期ですよね。今年は暖冬でもう大分温かいけど（っていうか今年の冬っｙｒ1月だけじゃ・・・？）
とりあえず、素材サイトさんであった一枚を拝借。
門出の別れに思いをのせて、線香花火のジンクスに願いをのせてみました。
願わくば門出の先に新たな出会いがありますようにと。

そういえばうちのサイトってバナーないんですよね。
HP立ち上げて1年ともう半年くらい経つにも関わらずバナーないのとかうちくらいだろうな（笑）
でも考えたらうちのサイトのイメージに合うバナー台ってイメージわかないんですよねぇ。
こんなのどう？なんて意見がありましたら拍手してくださいませ～。

そうそう、もうすぐサイトのカウントが2000行きそうです！辺境の辺境にある辺境なサイトなのにありがとうございます！
拍手でも「好きです～」とか言ってもらえると嬉しすぎて思わずほっぺたも緩みます（笑）そりゃもうだらりとｖ（気持ち悪い）
ほんとにありがとうございます♪♪












またリクエスト受付でもやろうかな～。