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手を伸ばして爪先で立てば届くのだろうか。

SS書いたら無駄に長くなった気がする。
ていうかもう朝です。

おはこんにちばん。いやむしろおはようございます。
翼です。

クラス会、すっごい楽しかったのですが、すっごい疲れました。
友達の女の子にクラスの男の子が絡むので(どっちもすごい酔ってた)、僕は友達の女の子をガードするのに頑張りました。
つか、酔うに酔えないよ・・・。

カラオケに行って、みんなのテンションが下がりはじめたところで僕のメンタルも崩れちゃって、もうキツかった。
過呼吸なるし、泣きたくなるし。はぁ。
生まれて初めて、寂しくて声を上げて泣きました。
弄られってけっこう大変なポジションです。冗談で言ってるのはわかるんだけど、けっこうじわじわと心に傷つくってくれちゃうもんだから、かさぶたさんも修理追いつかなくってもうてんてこまいですねぇ(苦笑)

ていうか、ここのところ心が寒かったのはこれの伏線だったのかと思うくらいです。
寂しい、というよりは、寒い、が適切。
無性に凍えてました。心が。なんだかね、うん、寒いんです。
「愛されてる」って実感が欲しいんですが、よく考えたら我が儘だなぁとも思ったり。実際、愛されてるっていうのは理解してるんですが(嫌われてたらそもそも弄ってもらえないだろうし)、感情とか感覚で実感したい。
ううん、難しいですねぇ。

そんなことで、なんだか二日連続で泣いてしまいました(苦笑)
駄目だなぁ。ちょっぴり情緒不安定で鬱入ってますorz

あ、でもクラス会はほんと楽しかったですよ!
ボーリングいって小力ストラップもらったし、クレーンゲームでドクターコアラのぬいぐるみ一発ゲットしたし!!
飲み会は無礼講だったし、カラオケもRAD歌えたしvv


で、オールでしたけど(笑)


なんにせよ、またやりたいなーって思うことはできました(^^)


以上~。



16日のWeb拍手ありがとうございました!
その一押しが元気の素です!!




思いのほか、自己心理が多分に投影された上にちと長いですが、暇つぶしにでもどうぞー。



*****
 瞳を覗き込めば、瞳孔が開いていた。
「眠いなら寝ればいいのに」
 コーヒーを淹れようと沸かしつつ言えば、シゲルは読んでいた雑誌を放り投げてきた。小さな弧を描いて足に攻撃力ゼロの殴打を与えた雑誌は、そのまま重力の法則に従い落下し、攻撃を受けた。雑誌のヒットポイント、マイナスいくらか。
 ていうか、ただ折れ曲がっただけだけど。
「寝たければ寝ています」
「ソーデスカーソーデスネー」
 シゲルの言葉にやる気ない声で返事して、戸棚からカップを取り出す。背中に当たるティッシュの箱にそちらを振り返れば、シゲルが人差し指と中指を立てていた。だからカップをふたつ取り出してフィルターもふたつ用意する。
「コーヒーどこにある?」
「今切らしてる」
「湯沸かす前に言えよ」
「私はお白湯が欲しかったんだもん」
 唇を尖らせて言うシゲルを一睨みしてコンロの火を止めた。沸騰間際だった熱湯の温度は、これからみるみるうちに下がっていくのだろう。
 カップにそれぞれ湯を注ぎ、片方をベットの上のシゲルに渡す。
「ご苦労さま」
「言葉違う」
「ありがとう」
「よし」
 シゲルはうふふと笑って一口飲んだ。
 朝日が昇る前の時間に、恋人でもない男と女がアパートの一室にふたりきり。不思議なようで、存外日常的な光景でもある。
「最近ね」
 口をつけずに机に置かれた俺のカップをぼんやりと見つめて、シゲルはぼんやりとした口調で呟く。
「寒いんですよ」
「暖房全開の部屋にこもってて?」
「寒いのは体じゃなくて心だもん」
「心が寒い? 寂しい、の間違いじゃなくて?」
「ニュアンスがね、ちょっと違うんですよ」
 ずず、と湯を啜って、シゲルは布団をたぐり寄せた。二十世紀最高の発明品である暖房のおかげで室温は20度もあるのに。心が寒いと体も寒くなるものだろうかと重いながら、俺はカップに口をつけた。
「愛欠乏症なのです」
「なにエセメンヘルみたいなこと言ってんの」
 急にシゲルが幼く見えて、いつもと違う印象に少しだけ戸惑う。だから苦く笑って自分でわからない色々なものを誤魔化しながら、乾いた喉をすこし冷めた白湯で潤した。
「別にみんなに愛してほしいとは思わないし、愛されてないなんて胸張って言えるようなこともないけどさ」
「けど、なんだよ」
「愛されてる、て実感が、欲しいときもあるわけですよ」
 シゲルは困ったように曖昧に笑って、泣きそうな顔をする。それでも無理矢理に笑い続けようとするものだから、いっそ泣いてしまえばいい、なんて簡単な言葉がでてこなかった。
「言えばいいのに」
「弄られキャラをわかってないねぇ」
「信じてもらえないんだ?」
「私は、私の発言は9割ネタと冗談と嘘でできてます、って豪語してる人間ですよ?」
「ほとんど信憑性ないな」
「そのほうが都合がいいからね。色々と」
 喉が渇くのか、シゲルのカップの中はすぐに水位を下げた。言いにくい事なら言わなければいいのに、それでも言おうとするのは言いたいからだそうか。シゲルの考えていることはイマイチ掴み辛い。
 嘘と、冗談と、ネタで見事にカモフラージュされた束の間の本音は、どれだけの人間がわかってやれるのか。それを知れるのは、少なくともシゲルではないと思う。
「うん。だからこうやって君に吐露してるわけですよ。誰かに言われる心配ないから」
「言われて困るのかよ」
「学校用シゲルの、アイデンティティが崩壊します」
「そんな偽物なんて壊れちまえ」
「あっはは、頑張って作ってんのに酷いなあ」
 シゲルは笑っている。完璧ともいえる笑顔は、何度も練習した努力の成果なのか、それとも知らぬ間に身に付けた処世術なのか。
「だって、そのままじゃお前ずっとそんなだぞ」
「でもね、これがけっこう利便性高くて」
「なんの利便性だよ」
「学校用シゲルなら、失敗したりちょっと変な言動したところで「ま、シゲルだしねー」って思ってくれるんだもん」
「それで?」
「いつ消えても大丈夫なの」
 重かった。
 急に、言葉が重かった。
 シゲルの声のトーンは寸分も変わらないのに、その言葉だけは何故か酷く印象強く耳にこびりついた。
 シゲルの声が、頭痛を鳴らす。
「結局さ、そっちの方が都合がいいんだもん。いつ何時、私がふとしたことでみんなの前から消えてしまっても、みんな「ま、シゲルだしねー」って言ってくれれば、それは私にとっては大成功なんですよ」
「お前はそれでいいのか?」
「みんなが悲しまなければ幸せ。みんなが笑っていてくれれば、それはきっと幸せ」
 とても愛(かな)しそうでひどく悲しそうな笑い方。シゲルは笑って、シゲル自身知らないうちに心を抉ってくれる。
 空になったシゲルのカップを受け取って、机の上で冷え切った白湯の入ったカップを渡す。シゲルは何も言わずにただ受け取った。
「それってさ、すげえ綺麗事言ってるように聞こえるんだけど、結局シゲルがそうなりたいってんじゃなくて?」
「君、日本語変だよ」
「現代っ子なんだよ」
 不機嫌さを装ってに言えば、シゲルはからからと笑った。なんでここで笑うんだ。
「なんだよ」
「別に。君はずっとそのままでいてよ。それで、私の本音を覚えていて」
「嫌だよ。なんでそんな重いの俺が持っとかなきゃなんねえの」
「私が覚えていて欲しいからだよ」
 哀しそうに笑うシゲルは、笑い方に多彩なバリエーションを持っている。空元気で笑っていても違和感が無いのは、だからなのだろうかなんてちょっと心配してみた。
「覚えていて欲しいなら、生きててたまに顔見せに来いよ。じゃないとすぐに忘れちまう」
「ああ、君ってトリ頭だもんね」
「うるせえよ」
 睨み付けたら、シゲルはとても楽しそうに笑った。シゲルが持つカップに入った冷めた湯を、もとい水と化したそれをぶっかけてやろうと思ったが、ベットが濡れるからという理由でやめておいた。
「忘れられるのは、悲しいからね」
 泣きそうな顔で、それでも笑う。
 シゲルを抱きしめてやりたいとは思わないし、抱いてやりたいとは少しも思うことなんてできない。
 だから、シゲルの持つカップを奪い取って、まだ辛うじて温度の残る湯を注いでやった。
「まだ寒い?」
 カップを手渡しながら言えば、シゲルは涙を湛えた目で笑い返してきた。
「凍えてるよ」
「頑張れ」
「おう」
 シゲルの心なんて不可解なもの、温めることなんて容易くないだろう。だからせめてと。体くらいは温まればいいと。
 太陽が昇って心が温まれば、こんなにお手軽なものはないのに。

fin
*****

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